粗利45% 町の電器店が高価格でも売れる理由、ライフテクトヤマグチ

価格競争に参加せず27年連続で黒字

町の電器店「ライフテクトヤマグチ」(東京都町田市)は、2023年(9月期)に年商約8億5000万円を達成し、27年連続で黒字となった。量販やネット通販との価格競争には参加しない方針を掲げ、粗利率は約45%で、利益率も横ばいを維持している。競合より高くても売れるのは、充実したサービスで顧客の信頼を得ているためで、花壇の手入れ、家具の移動、買い物の手伝い、留守番なども無料で実施している。細かいニーズに対応することで顧客宅への訪問機会を増やし、家電や設備の買い替え提案につなげる狙いもある。

写真 人物 個人 町の電器店「ライフテクトヤマグチ」 山口社長
「お客さまが想像しないような『おもてなし』が大切」と話す山口社長(80歳)。

同店はパナソニックの取次店で、従業員数は42人(パート含む)。うち15人が営業を担当している。顧客一人ひとりに担当社員を配属する営業スタイルが特徴で、社員1人につき350人近くの顧客を受け持つ。知らない人を自宅に上げたくないという人でも、顔見知りの担当者なら安心して頼ることができるため、依頼件数の増加につながっている。

限られた人手で充実したサービスを実現するため、5年以内に購入がない顧客や商圏外の顧客は名簿から外すなど、得意客に絞った営業を行っている。毎年約1000件の顧客が名簿から外される一方で、同規模の新規登録があるため、顧客総数は横ばいを維持している。年末年始の修理など、量販店が対応できない依頼を柔軟にこなすことで、一度名簿から外れた休眠客が再び戻ってくるケースも多いという。現在の稼働客は約5470人で、町田市全域と相模原市の一部を商圏としている。

写真 店舗・商業施設 町の電器店「ライフテクトヤマグチ」 1階の家電コーナー
1階の家電コーナー。2階はリフォームのショールームになっている

同店は山口勉社長が1965年に創業。店舗は2階建てで、売り場面積は約330平方メートル。2階にはリフォーム商品をそろえたショールームがある。家電や設備だけでなく、野菜や果物など食品も販売している。

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写真 店舗・商業施設 町の電器店「ライフテクトヤマグチ」 外観
食料品も扱っているライフテクトヤマグチ。日替わりで特売日も設けている



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