※本記事は月刊『宣伝会議』1月号の転載記事です。
Saleshub
代表取締役
江田 学氏
人と人とのつながりから企業の商談機会を創り出す
IT化が進みオンラインでのやり取りが増えた現代でも、未だに企業の新規開拓手法として用いられることの多いテレアポ。しかし社員の心理的負担も大きいことから、Saleshubでは紹介をもとにアポイントを取得できるシステム「Saleshub」を提供している。そんなSaleshubが2023年10月より同社初となるテレビCMの放映を開始している。
「Saleshub」のモデルを一言でいえば、知り合いと企業をつないで、成長企業を支援できる顧客紹介マッチングサービスだ。自身も新規開拓営業を経験し、テレアポの非効率性や負荷を体感したという代表の江田学氏率いるSaleshub社が企画・開発した。
現在は、「サポーター」と呼ばれる約5万人が登録。「Saleshub」のポータル上で、自身がつながりを持つ企業の担当者などを登録する仕組みだ。
2017年よりサービスの提供を行っているが、売上が大きく伸びたのはここ2年ほどだという。「“つながりマッチング機能”を追加し、サポーターの方々がSaleshub上に登録する7万件以上のつながりのある企業担当者データと、企業側がアップロードする狙いたい企業のリスト、いわゆるアタックリストを照合し、ピンポイントで会いたい企業との商談を実現する仕組みです。企業名、部署名、役職を絞り込んだ上で、アタックリストとマッチングするターゲットの紹介をサポーターに依頼できるようになったことで、成功事例が一気に増え、プロダクトが広がる転機となりました」(江田氏)。
新しいプロダクトゆえユーザーの不安感を払拭したい
順調に成長していた同社だが、CM放映に踏み切ったのには2つの理由があった。同社では、自社の新規開拓営業も「Saleshub」のシステムで行っている。そのほか、Facebook広告などデジタルマーケティング施策も実施。毎月安定的に商談を行い、契約社数を増やせてはいる。しかし、さらに事業を成長させるためには、ニーズが顕在化した企業へのアプローチが中心になる現在の施策だけでは不十分と考え、CMの実施に踏み切ったという。
また、「Saleshub」は国内だけでなく海外に目を向けても類似サービスがほとんどない、新しいサービスだ。そのため、サポーター側にも企業側にも、信用度の高いサービスだと認識してもらうために、CMを通じた信頼感の醸成にも本格的に取り組みたいと考えたのも理由のひとつだという。
目指したのは「メジャー感」の伝わるCM
信頼を高めることも目的だったため、CMの制作にあたって大事にしたのが「メジャー感」だ。ナレーションには『情熱大陸』(TBS系)のナレーターを務める窪田等氏を、CMのメインキャラクターにはタレントのデヴィ夫人を起用した。
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『宣伝会議』1月号(12月1日発売)
- 特集
- トップランナーたちの予測と展望
- 広告、メディア、マーケティング 2024年は、こう動く。
- 〇パーソナライズと個人情報保護を両立させ、生成AIから得られるデータを活用するには?
- 2024年はどうなる?①「生成AI」
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- 〇規制は真の顧客理解を考える契機にマーケティングの本質に原点回帰する
- 2024年はどうなる?②「Cookie規制」
- 遠藤智史(LIFULL)× 友澤大輔(イーデザイン損害保険)
- 〇コンテンツ力を活かしたユーティリティの向上TVer、radikoと考えるテレビ·ラジオのDX
- 2024年はどうなる?③「電波メディアのDX」
- 坂谷 温(radiko)× 蜷川新治郎(TVer)
- 〇マーケティング投資の説明責任にどう応える?施策のビジネス貢献度を可視化するMMM
- 2024年はどうなる?④「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)」
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- 〇メーカーと小売、広告会社が三位一体となり生活者に心地よいコミュニケーションを提供
- 2024年はどうなる?⑤「リテールメディア」
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- 2024年はどうなる?⑥「広告クリエイティブの行く末」
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- 〇マーケティング=経営の時代にAIの浸透はCMOの役割を拡張する
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- 〇業種専門性を高め知見を蓄積 伴走型の支援で「クライアントの顧客を知る」
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- 味澤将宏(Facebook Japan)
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