【ベクトル講演】一貫性のある情報発信で効果的なブランディングを
ブランディングとは「ブランドアイデンティティとブランドイメージを一致させるために施策を講じるコト」と、夏井氏は定義。社内に対してブランド価値や理念を伝える「インナーブランディング」、社外に対してWebサイトやSNSを通じて商品やサービスの魅力を伝える「商品・事業ブランディング」、社外に自社の魅力を伝える「採用・育成ブランディング」と、大きく3つに分けて定義した。
しかし、いざブランディングを実施すると「どのように情報を発信すべきかわからない」「ターゲットに情報を見てもらえない」「施策を講じても拡散されない」といった課題に直面する企業は多い。ブランディングにおけるポイントとしては、一貫性のある情報発信が重要になるという。商品や事業の内容にかかわらず、統一されたメッセージ性を持たせた情報発信こそが消費者の行動を促すフックになると、夏井氏は語る。
ブランド形成に結び付くカテゴリ認知の拡大
ブランディングの定石とも呼べるPRで重視すべきは、新規カテゴリのキーワードを創出することだという。その成功例が、ロボットアウトソーシングサービス「BizRobo!」だ。本サービスはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術を活用しており、業務効率化ソリューションとして欧米で注目を集めていた。しかし、当初はプロダクトおよびRPAというカテゴリの国内認知が非常に低く、そのメリットが浸透していなかった。そこでまず、社名を「ビズロボジャパン」から「RPAテクノロジーズ」に変更。カテゴリ名であるRPAを社名に冠することでSEO対策とし、「RPA=ビズロボ」の想起化を図った。またRPAに関する大々的なエキシビジョンイベントを開催し、各種メディアからの取材を獲得。国内外から注目を集め、RPA市場を拡大させるだけでなく、カテゴリリーダーとしてのブランド形成にも寄与することとなった。
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【TVer講演】スキップ不可だが嫌悪感の少ないTVerの広告
民放テレビ局5系列の見逃し配信やリアルタイム配信を無料で提供するTVerだが、講演では広告プラットフォームとしての側面を強調。TVerの広告はコンテンツの視聴前後と視聴中に配信される動画広告がメインで、「高い視聴完了率」「嫌悪感・違和感なく広告を受け入れられる」「1stパーティデータによるターゲティング」を特徴として挙げた。
TVerではユーザーが動画広告をスキップすることができないため、15秒、30秒、60秒のいずれのCMも9割以上の視聴完了率を誇っている。掲出されている広告はJIAA(日本インタラクティブ広告協会)が定めた基準をクリアしたコンテンツに限られているため、スキップはできないもののCMに対する嫌悪感は比較的低い。また、ユーザーがアカウント登録時に入力した生年月日・性別・郵便番号といった1stパーティデータを活用することで、高精度なデモグラターゲティングを実現している。
視聴完了率の高いCTVを活用
TVerはインターネットに接続可能なテレビ媒体CTV(コネクテッドテレビ)とも相性が良く、CTVによるTVer再生比率は年々増加しているという。CTVは大画面での視聴になるからか、複数人で同時に視聴する割合が高く、番組や広告の視聴完了率がパソコンやスマートフォンより高い。
また、通常のCTVを活用したサービスではターゲティングが難しいとされているが、TVerでは1stパーティデータを活用することで、CTVユーザーに対してもターゲティングを可能にしている。講演では「あえて視聴完了率の高いCTVのみで広告を配信することで、コストを抑えながらもターゲットに効果的な訴求を行うことも可能」と紹介した。
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【Speee講演】CDPの活用が停滞している理由
Speeeで取り扱うサービス「バントナー」は、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を導入し収集した情報を分析、利活用するまでのサポートを行うもの。CDPは2016年頃から日本でも普及していたが、今なお使いこなせていない企業がほとんどだと大宮氏は話す。
CDPを使いこなせていない理由として、まず組織の課題が挙げる。CDPを導入したことにより経営層からの期待値があがり、大きな成果を望まれるが、成果を出すには費用や時間など総合的なコストが大きくかかる。この点について、プロジェクトメンバーと経営層の間にギャップができてしまうため、導入してもうまく活用できずに停滞してしまうという。また、プロジェクトメンバーや現場間でもデータをどのように分析すべきかを把握しておらず、ほとんどの企業がCDPをうまく活用できていない。これらの課題を解決するためには、顧客データの詳細を見ながら関係者全員が同じ目線で議論することが重要であると大宮氏は語る。
顧客データの可視化がCDP活用の糸口に
停滞するもう一つの理由は進め方の課題だ。顧客のデータ活用までは、構想・計画→CDP構築→分析・顧客理解→利活用という流れが一般的だ。しかし、多くの企業は「経営層から求められる構想・計画が高すぎる」「実際にどんな分析をすべきかわからない」といった理由から、構想・計画の段階から進めないという。この問題を解決するために、構想・計画の段階をカットし、CDP構築から着手し、顧客データが見える状態を早くできるようにすることが必要である。また、CDPの活用については、多額の費用がかかる「パッケージ型」ではなく、少額でスピーディーに始められる「DWH(データ・ウェア・ハウス)型」にすることで、より早く着実に顧客データの可視化につなげることができると、大宮氏は強調した。
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