日本パブリックリレーションズ協会は「日本PR大賞」(2023年度)の結果を発表、1月22日に表彰式を行った。パーソン・オブ・ザ・イヤーにはYOASOBI、シチズン・オブ・ザ・イヤーにはプリズンコンサート(刑務所での音楽ライブ)のPaix²(ペペ)を選出。双方向のコミュニケーションを通じて多様なステークホルダーとの関係を構築し、課題解決をしていく「パブリックリレーションズ」の観点から、それぞれの活動が評価されている。
「パーソン・オブ・ザ・イヤー」はパブリックインタレスト(公益)に貢献し、かつ話題性、発信力の高さや共感の醸成など、パブリックリレーションズの視点から、この年に最も PRパーソンとして活躍した人を表彰するもの。
YOASOBIの選出理由について、協会は「YouTube の世界楽曲チャートで1位を獲得するなど、国を越えて老若男女にファンを増やしている。楽曲には原作となる小説があり、物語の世界観を拡げながら共感を得ていくコミュニケーションは、パブリックリレーションズに通じるものがある」と述べている。また、出版事業の課題からスタートし、内外のステークホルダーを巻き込みながらプロジェクトとして大きな成果を上げていることや、メディアにおいても自らの考えを発信し、TikTok ライブなど様々な手法を活用して双方向に関係を構築していることなど、パブリックリレーションズの基本を体現している点が評価された。
YOASOBIの受賞メッセージは以下のとおり。「2023年度日本PR大賞 パーソン・オブ・ザイヤーに選出いただき、ありがとうございます。我々は2人でYOASOBIというユニットをやっているのですけれども、発足時からチームのみんなの力を借りてようやく舞台に立つことが出来ていると思っております。パブリックリレーションズという意味においては、本当にチームのみんなと作り上げてきていることばかりなので、そういったところを見ていただいて、今回の賞をいただけたのではないかと思っております。ですので、この賞は僕らとチームのみんなに贈りたいと思います。これからも頑張っていきますので、応援のほどよろしくお願いします!」
一方、持続的に社会や地域の発展に寄与する活動を行い、独創的な広報・PR活動を実践することで成果を収めた個人またはグループを表彰する「シチズン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは、刑務所を回って受刑者に歌を届けている「Paix²」だ。
Paix²は2000年にデビューし2002年から刑務所を回って受刑者に歌を届け、眠っている良心を呼び覚ます活動を続けており、これまでに無報酬で行ってきた「プリズンコンサート」やトークセッションは500回を超える。社会復帰した元受刑者とも継続的につながりを持ってお互いの励みとし、刑務所関係者や自治体などと強い信頼関係のもとで連携するなど、パブリックリレーションズの理念に合致した活動を長年にわたって行っている点が評価された。「PR(パブリックリレーションズ)の真の意味を知り、『私たちがやってきたことの意味は、まさにこれだったんだ』と改めて学ぶことができました」とコメントしている。