今回は、ファイントゥデイが展開する男性向け「uno」から販売されているメンズメイクラインアップを取材。2016年に販売を開始し、今もなおメンズメイク市場を牽引している「uno」の担当者に、ヒットの仕掛けを聞きました。
ファイントゥデイ 日本事業本部
ブランドマーケティング部
unoG アシスタントブランドマネージャー
徳田滉大氏
ファイントゥデイ 日本事業本部
ブランドマーケティング部
unoG ブランドアソシエイト
森屋遥貴氏
■商品情報
- 商品名:uno「クリームパーフェクション」「フェイスカラークリエイター」
- 希望小売価格:オープン価格
- 主な販路:ドラッグストア、オンラインショップなど
スキンケア、メイクカテゴリーでNo.1を獲得
──unoブランドでスキンケア、メイクカテゴリーのラインアップを展開し始めたのはいつからですか。
徳田:スキンケアは2016年、メイクは2019年からです。unoブランドは1992年にヘアスタイリング剤からスタートしています。unoはイタリア語で1という意味。男性を一番かっこよくしたいという思いから名づけられています。
「1」にもいろんな意味があると思うのですが、unoはかつての「何事でも常にトップであれというナンバー1志向」から、多様性を重んじる現代の「自分らしく輝くべきというオンリー1志向」まで、常に世の中の流れに寄り添って成長を続けてきました。
──スキンケア、メイクそれぞれの販売動向はいかがですか。
森屋:スキンケアシリーズの「ウーノオールインワン」シリーズは男性用クリーム市場の売上No.1(※1)ブランドです。メイクラインアップの「フェイスカラークリエイター」は累計出荷数195万個を突破し、現在も伸長し続けています。
※1 インテージSRI+男性用フェースケアクリーム市場2020年1月~2023年5月累計販売金額主要シリーズランキング
メイクにチャレンジしてもらうための環境づくり
──「クリームパーフェクション」、「フェイスカラークリエイター」ではそれぞれ、どのようなプロモーションを行ってきたのでしょうか。
徳田:メイクラインアップを発売した2019年時点で、男性向けのメイク市場というのはほぼ存在していませんでした。その当時は社内でも、メンズメイク商品を出す価値があるのか、と議論になったと聞いています。
市場が未成熟ということは、すなわち、日常的に購入する生活者がまだ少ないとも捉えられると思います。そう考えると、消費者にとっては購入することにハードルを感じる場合も多いのではと仮説立てられますよね。
そこで、プロモーションではスキンケアも含めブランドが提供できる価値を丁寧に伝えることを重視しました。スキンケアラインアップの「クリームパーフェクション」は、これひとつでテカリとカサつきが部位ごとに共存する混合肌という男性に特化した肌の悩みに対応できるオールインワンクリームです。
森屋:男性にとってスキンケアで化粧水や乳液、クリームなどをそれぞれ購入して、併用することはこれまたハードルになると考え、「これひとつで解決できる」という簡便性が特長です。商品パッケージも、日常的に使用するヘアワックスに近い形状になっていて、店頭でも、洗面所でも違和感が少なくなるように設計しています。
メイクに関しては、興味があっても周囲の反応を気にしてチャレンジできないという男性の声もあったので、メイクアップラインアップの「フェイスカラークリエイター」では、一般的なBBクリームに多いベージュではなく白色のクリームにすることでメイク用品っぽさを軽減しています。
スキンケアやメイクの効果は、第一印象が向上することと、それに伴い高まる自信です。テレビCMやデジタル動画などの広告コミュニケーションでは、その価値がunoを使うことで手軽に手に入るということを伝えています。店頭ではメイクのテスターを設置し、使用前後の違いを実感してもらえる環境を用意しています。
「トータルコーディネート」視点で新たな販路を開拓
──スーツブランド「SUIT SQUARE」の店頭でも商品展開を開始したと聞きました。どのような経緯で始まったのですか。
徳田:unoが扱っているのは髪や肌、メイク関連の商品です。しかし近年はこうした肌やヘアセットの側面から創出した接点だけでは消費者がなかなか動いてくれないという課題がありました。そこで考えたのが、スキンケアやメイクアップを、服や靴、アクセサリーを身に付けることと同じように“トータルコーディネート”という切り口で訴求できないかということ。服装という入口から、肌へも関心を持ってもらいたいという意図に共感していただいたのが「SUIT SQUARE」でした――。
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