KDDIスマートドローンは1月23日、北アルプスドローン協会、NEXT DELIVERYと協働で、長野県小谷村の地域課題の解決に向けたドローン配送の実証実験を行った。新たな配送手段として、超高齢化が進む地域の物流課題の解決や、脱炭素の推進を図っていく。
実験のフィールドとなった長野県小谷村は、2020年時点で高齢化率38%超と超高齢化が進展。買い物弱者・交通弱者の増加が課題となっている。他方、2023年度から「小谷村地球温暖化対策実行計画」を推進し、2030年までにゼロカーボンを実現すると掲げた脱炭素促進事業を推進している。
検証では、こうした物流課題の解決・脱炭素の推進の双方を目指す新たな配送手段として、ドローン活用の可能性を検証した
実証実験では小谷村の奉納温泉地区において、「災害時の孤立」を想定。道路が寸断された状況下で、救援物資などを運び込むため、非常食や防災用品で構成される「緊急物資セット」(約1.5kg)を、ドローンを用いて配送。小谷村診療所から片道約4.2㎞先の同地区へ、約9分で届けた。
機体は“日本発”の量産型・物流専用ドローンAirTruckを採用し、レベル2(自動運転の機能を活用し、目視が可能な範囲で飛ばす形態)飛行を行った。AirTruckは、荷物を機体の重心に最適配置するなど「より速く より遠く より安定した」機能を備える、物流用途に特化して開発された機体。
また機体の制御には、KDDIスマートドローン開発のモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とする運航管理システムを活用した。
同実証は、KDDIスマートドローンが統括して、機体運行はKDDIスマートドローンとNEXT DELIVERY、事業化の検討などを北アルプスドローン協会が担当した。
KDDIスマートドローンやNEXT DELIVERYは今後、同実証で抽出された課題の解決やドローン物流の事業化を目指し、様々な地域課題の解決や地域における生活の質の維持・向上を図っていく。