社会貢献とバリアフリー化を推進
明るい光とBGMであふれる家電量販店に変化が起きている。ヤマダホールディングス(HD)は感覚過敏の来店客が安心して買い物できるように、店内照明やBGMなどを調整する「クワイエットアワー」を一部店舗で導入。2月13日から実施店舗を拡大し、神川県内のヤマダデンキ18店舗で定例実施する。社会貢献とブランドイメージの向上につなげるほか、店舗のバリアフリー化で来店しやすい売り場づくりを推進する考えだ。
クワイエットアワーとは、感覚過敏の人に配慮し、一時的に音の重なりや光の刺激を緩和するなど店内の環境を調整する取り組み。家電量販店などの店舗は刺激が多く、感覚過敏の人にとっては過ごしにくさを感じることがある。
相模原青年会議所の提案をきっかけに、2023年3月にテックランド相模原店で初めて実施し、5月から定例実施を開始した。毎月第2・第4火曜日の午前10~11時は、店内のBGMや館内放送をカットするほか、店内照明も部分的に消灯。展示している家電製品も消音する。
店内では案内ポスターを掲示し、来店客の理解を促している。展示品のテレビが消えている理由などを来店客に問われることもあるが、スタッフが説明することで納得を得ている。スタッフはこれまでも耳が不自由な来店客に筆談で対応するなどの配慮を行ってきたが、クワイエットアワーを通じて感覚過敏に対する理解を深め、接客力の向上につながったという。
今回、相模原店の事例を参考に、県内のほかの店舗にも導入を拡大した形だ。同社は「ゆくゆくは全国の店舗に広げていきたい」と意気込みを語った。