※本記事は、『広報会議』3月号 (2月1日発売予定) に掲載している連載企画「自治体広報の裏側」の転載記事です。
佐賀県
政策部 広報広聴課
サガプライズ!
プロジェクトリーダー
柴田晃典氏
佐賀県では2015年から「サガプライズ!」という情報発信プロジェクトを展開。広報広聴課に属するプロジェクトチームが東京を拠点として活動しています。県内の広報広聴課では、県政広報誌の発行やホームページ等による情報提供、メディア誘致、広聴事業など広く一般的な県政の広報及び広聴活動を行っているのに対し、「サガプライズ!」では主に企業やコンテンツ等とのコラボレーションを通して佐賀県の魅力を全国に発信。これまでに約40ものプロジェクトを行っています。
特産品などの資源は各地域にあります。以前は広告の出稿量を増やして宣伝すれば多くの人に知ってもらえましたが、物も情報も溢れている現代において同じやり方は通用しづらい。そこで、まずはコンテンツのファンの方に届くように魅力を発信しようと考えたのが「サガプライズ!」です。「サガプライズ!」では、ファンの視点で地域資源を磨き上げることでメディアなどを通して全国で話題をつくり、最終的には佐賀県の物を買ってみたい、佐賀県に行ってみたいといった行動にまでつなげて、好循環を生み出すことを目標としています。
好事例のひとつが、2015~2016年にゲーム「スプラトゥーン」とコラボした「Sagakeen」です。コラボ施策第1弾では東京でコラボショップを開店。初日の行列が500人に達したことや1週間での来客数が1万4000人にも上ったことで多くのメディアで取り上げられ全国に話題が広がりました。そして、第2弾では「透明なイカ」が食べられることで全国的に有名な佐賀県唐津市呼子町でイベントを開催。「スプラトゥーン」仕様にラッピングした観光遊覧船の運航やコラボグッズ販売、スタンプラリー企画などを行ったところ、人口4000人ほどの町に2カ月で1万3000人以上の方に来ていただけました。
2023年の『島耕作シリーズ』とのコラボでは、島耕作が佐賀県副知事に就任するという文脈で、まずは東京で就任式を実施。その後、佐賀県庁内に実際に「副知事 島耕作の執務室」をつくり、期間限定で公開したところ、通常の約3倍の方が県庁を訪問してくださいました。ともに都内でつくった話題を県内に還元できた企画でした。
海外コンテンツとのコラボで世界に魅力を発信
国内の企業やコンテンツとコラボしてきた「サガプライズ!」ですが、2024年1月から韓国ゲームメーカー「NCSOFT」が提供するゲーム「リネージュW」とのコラボを実施。海外からの観光客数も回復しつつある中で、佐賀の魅力を世界にも発信していきます。
「サガプライズ!」の事業に対して、佐賀に住む若い方々から「佐賀県に生まれてよかった」などの感想をいただくことがあります。新しく佐賀県庁へ入庁する方の中に「サガプライズ!」を志望してくださる方がとても多くなってきました。佐賀に住むこれからの若い世代が誇れるような、佐賀にしかできない企画をつくっていくのが私たちの役割だと考えています。今後も突き抜けた視点を持って活動を続けていきます。
広報会議2024年3月号
- 特集1
- 話題を生み出す
- 「情報発信のアイデア」
- ・2024年のメディアの関心を知る
- メディア注目のキーワード45選
- 座談会①
- ・高まる人々の「セルフケア」意識
- 新しい自分を発見するサポートが鍵
- ミズノ×Greenspoon×博報堂
- 座談会②
- ・新たな働き方に関する広報
- 制度導入時は背景をいかに語れるかが鍵
- スター食堂×日本交通×りそなホールディングス
- 特集2
- 事例に学ぶ
- 「マーケティングPR」
- ・永谷園「パキット」
- ・ドリームズ「ふんばるず」
- ・KURAND「酒ガチャ」
- ・ヤッホーブルーイング「隠れ節目祝い by よなよなエール」
- ・森永乳業「クラフト 魚Chee」
- ・西染工「今治のホコリ【着火剤】」
- ・ファミリーマート「生コッペパン」
- ・サンスター文具「ウカンムリクリップ」