愛知国際アリーナは2月8日、2025年夏に開業する「愛知県新体育館」のネーミングライツ取得企業と新名称を発表した。ネーミングライツパートナーとなる企業は、イギリス ロンドンに本社を構えるグローバル・フィンテック企業のIGグループ。新名称は「IGアリーナ」に決定した。
IGアリーナは愛知県名古屋市・名城公園の一角に位置し、延べ面積6万3000 ㎡、最大収容人数は1万7000人と世界トップクラスの規模。外観デザインと内装の一部は隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける。
同アリーナは国際的なスポーツリーグや球団が望む基準を満たすグローバル水準の空間・機能や、飲食物販サービス、1900人に対応可能なホスピタリティエリアなどを有し、ハード面・ソフト面において高い機能を備えたスポーツ・音楽のハイブリッドエンターテインメントアリーナとして活用されていく。
運営は、愛知県新体育館提案を実施したコンソーシアム 7 社の出資により設立された愛知国際アリーナが担う。コンソーシアム出資企業は前田建設工業、NTT ドコモ、AEG(アンシュッツ・エンターテイメント・グループ)、三井住友ファイナンス&リース、東急、中部日本放送、日本政策投資銀行の7社。
設計建設は前田建設工業。NTTドコモは、同社が研究開発するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を基にした最新技術を始めとするテクノロジーを駆使し、新たな顧客体験を提供。世界最大のアリーナ運営会社であるAEGも参画し、スポーツや文化の拠点となる“グローバルアリーナ”、そして“スマートアリーナ”を目指す。
今回ネーミングライツを取得したIGグループは、日本を含む世界19拠点で事業を展開し、オンライン金融サービスを個人投資・トレーダー及び機関投資家に提供している企業だ。
記者発表会にはIG グループCMOのキャサリン・ウィットン氏、日本法人のIG証券代表取締役・古市知元氏、愛知県の大村秀章知事らが登壇し、命名権取得の背景や、新アリーナの今後の方針について述べた。
IG証券の代表取締役・古市知元氏は「IG グループは日本を最重要市場のひとつと位置付け、積極的に投資を行ってきた。特に過去 5 年間においては日本でのビジネス規模も大きく拡大し、店頭デリバティブ取引市場においては収益ベースで外資系企業ナンバーワンとなっている。優れたエンターテインメントには国境が無いように、金融市場にも国境は無く、グローバル金融市場に個人が参加することは海外では一般的。今回の大きな投資を機に、日本の投資家・トレーダーの皆さまにより多様で魅力的なグローバル市場への投資機会を提供すべく、さらに努力を重ね、日本、愛知県、そして新しい IG アリーナとともに成長していきたい」とコメント。
IGアリーナの運営会社・愛知国際アリーナの鷺徳次代表取締役社長は、「IG アリーナは日本のアリーナ事業の変革者となり、世界と愛知がつながるアジアNo.1アリーナを目指す。先行する欧米の例をモデルとしてパートナーのブランディングやマーケティングへの貢献を、リアルとデジタルを組み合わせたかたちで行ってまいります」とコメントした。
命名権の取得に関し、国内では過去に、2020年時点で命名権史上最高額10年50億円と発表された北海道の「ES CON FIELD HOKKAIDO」や、年3.1億円で10年契約の「ZOZOマリンスタジアム」などがある。
今回の契約の期間は2025年から10年間。日本およびアジア地域における最大規模のアリーナネーミングライツ契約のひとつと発表されている。
グランドオープンは2025年7月13日に初日を迎える大相撲名古屋場所。愛知県の大村知事は「この大相撲名古屋場所を皮切りに、国際的なスポーツ大会やコンサートなどの企画を用意してオープニングイヤーを盛り上げていきたい。ネーミングライツパートナーであるIGグループの協力をいただきながら、官民一体となって世界最先端のグローバルアリーナ、スマートアリーナを目指していきたい」と語った。