8日間で240人の利用を目指す
妊婦がノンアルコールカクテルを楽しむバーがオープンする。六甲バター(兵庫県神戸市)は2月24日に期間限定の「ニンプバー」を実施。場所は神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)内にある「バーレスタカード」で、 バーテンダーが創作した、お酒を用いないカクテルや軽食を販売する。期間は3月17日までで、土日限定の開催。安定期に入った16~36週の妊婦が対象で、1日30人まで。8日間で240人の利用を目標に掲げる。
ニンプバーは、「本当はお酒が飲みたい」、「仲間と楽しむ時間がなくなり孤独を感じる」といった妊婦の意見をきっかけに2022年にスタートした。これまで3回開催。前回は12席の会場だったが、反響を受けてより多くの来店が可能な会場を選択した。
妊娠期は遠方への旅行も難しく、子どもが産まれる前のパートナーとの思い出作りに利用してもらう。友人や両親との来店も視野に入れている。新型コロナウイルスの影響で産前旅行や新婚旅行に行けなかった妊婦にも楽しんでもらいたいという。会場には家族への思いやニンプバーの感想などを書き込める「ニンプノート」も設置する。
オリジナルのノンアルコールカクテルのネーミングは「愛の結晶」、「2人の高まる愛」などロマンチックな雰囲気にこだわった。一部のメニューには同社の鉄分入りベビーチーズ「おいしく健康プラスベビーチーズ チーズⅮE鉄分」も使用されている。
ニンプバーは、妊婦や母親に寄り添うプロジェクト「QBBベビーチーズfor mom」の一環。同プロジェクトでは、妊娠・出産を経験した母親の頭の中を可視化するグラフィックレコーディングや、妊婦の共感を呼ぶ漫画、妊娠中の夫婦関係に関する調査などを公開している。妊婦や母親による座談会なども実施しており、マーケティング部の森崎友鹿氏は「妊婦さん一人ひとりで悩み事や状況が全く違い、それぞれ大変。そんな方にいつもと違う空間で楽しんでいただけたら」と話した。
「おいしく健康プラスベビーチーズチーズⅮE鉄分」は値上げ後も好調に推移しており、要因の1つとして妊婦や出産後の女性客からの手堅い支持があるとみている。妊婦時に喫食し、そのままリピーターになったり、自分の子どもに買い与えたりするケースも多い。子どもが大きくなると喫食の習慣が一時的に途絶えることもあるが、成長して家庭を持つようになると再開することも多いという。ニンプバーなどの取り組みで妊婦だけでなく、次世代の顧客獲得にもつなげたい考えだ。