栄養と味を両立した
湖池屋の定番商品「カラムーチョ」が健康志向の客の注目を集めている。栄養バランスと味を両立した「完全メシ カラムーチョホットチリ味」の販売チャネルを拡大し、2月12日から全国のスーパーやドラッグストアで販売開始。兄弟会社の日清食品が展開する栄養バランスを追求した食品ブランド「完全メシ」シリーズでは初のスナック菓子で、昨年11月に全国のコンビニで先行販売を開始したところ反響が大きかったことから販路拡大を決定した。
同商品は「日本人の食事摂取基準」で設定されたビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とカラムーチョの味を両立。日本最適化栄養食協会から主要な栄養素がバランスよく適切に調整された「最適化栄養食」として製品認証を受けている。1本ずつ食べやすいスティック形状で、カップ型の容器で持ち運びやすい点も特長だ。
湖池屋が2020年10月に実施した「食・お菓子に関する調査」では若年層を中心に食事と間食の境界線があいまいになっている傾向が明らかになった。そこで、栄養とおいしさのバランスを追求したスナック菓子の需要が見込めると判断し、同商品を開発した。
「カラムーチョ」のメインユーザーである30~40代の男性をターゲットにしているほか、栄養バランスを考慮する健康志向の客など幅広い層に訴求。栄養バランスをうたう競合商品と比べ、若年層のファンも多い「カラムーチョ」のブランド認知度が強みだという。おやつやおつまみとしてだけでなく、普段の食事にも取り入れるなど新たな食シーンの創出にもつなげたい考えだ。
先行販売以降、顧客からは「カラムーチョなのに栄養バランスが整っている」などのコメントが寄せられている。販売実績などは非公開。今後はカラムーチョ発売40周年を記念したプロモーションで訴求する考えで、広報担当者は「市場に根付かせ、スナック菓子の新たな選択肢として定着させていきたい」と話した。
飽食による肥満が世界的な問題となる一方、粗食や小食を原因とした低栄養によって引き起こされる高齢者の身体的衰弱や、偏った食生活で特定の栄養素が不足する「隠れ栄養失調」の増加も課題。日清食品はこうした食の課題を解決するため2022年に「完全メシ」を発売。2024年1月31日時点でシリーズ累計2000万食を超えた。