袋スナック売り場での定着を目指す
カルビーは筒状の包装が特長のポテトチップス「クリスプ」をリニューアルし、包装を袋状に一新した。市場では筒や缶より袋状の需要が高い。今回のリニューアルで、同社が発売しているポテトチップスで筒状のパッケージはなくなる。マーケティング本部の舟橋桃代氏は「成型ポテトチップス市場の伸長と、袋スナック売り場での定着を図りたい」と目標を語った。3月11日から全国のコンビニで販売を開始。コンビニ以外では4月1日から販売する。
2016年発売のクリスプは、フレーク状にしたジャガイモで成型した生地を使った「成型ポテトチップス」。成型ポテトチップスの市場規模は2018~2022年で3.5%増に伸長している。特に袋状のパッケージが27%増と大きく伸びており、クリスプの包装形態も筒状から袋状に変更することに決めた。リニューアルの準備を行うため、昨年7月に販売を休止した。
袋の形態について、同社が2023年6月に実施した顧客向けのグループインタビューでも「袋の方が開けて食べやすい」「ゴミが少ないのが良い」という声が多かった。「自分用に食べるには袋の方がいい」という声もあり、包装形態の変更によって購入頻度の増加にも期待がかかる。袋状にすることで、使用する包材の重量が約8割減少するなど、資源の削減にもつながる。
ラインナップは「うましお味」と「旨味コンソメ味」の2種類。内容量は45グラム、価格はオープンで税込140円前後を想定している。ニーズを見極めて将来的にはサイズの種類を増やすことも検討するという。
クリスプは競合他社の成型ポテトチップスと比べて「食感」を強みとしていることから、パッケージでは「ザクッと!食べごたえ」と大きく表示。同社が販売している生のジャガイモをそのままスライスしたポテトチップスとは違う趣向を楽しみたい人などに向けて訴求する。
販売開始と同時に女優の福原遥氏をイメージキャラクターに起用した新テレビCM「なにかが変わってる」篇も公開する。CMでは福原氏を含むキャスト全員が一切動かない中、福原氏が手に持っている従来の筒状のクリスプがリニューアル後のパッケージにいつの間にか変化する様子が描かれており、リニューアルしたことをアピールする狙いだ。