楽天グループが運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」は2月28日、新生活関連商品の購買データやアンケート調査をもとにした「『楽天市場』新生活2024 トレンド予測」を発表した。
「楽天市場」で取り扱っているインテリアや日用品雑貨、家電などの新生活関連商品は、2024年1月末時点で約150万点に及ぶ。それら「楽天市場」で扱う新生活関連商品の流通総額商品は、2019年から2023年までの新生活商戦において約2.4倍に伸長。新生活用品をEコマースで購入する傾向は、コロナ禍を経て拡大しているとの考えを示している。
今回「楽天市場」が発表した「新生活2024 トレンド予測」は、新生活関連商品の購買データや調査結果を分析における基づくもの。主なポイントは、以下の4つ。
①令和タイパ商品
「楽天市場」で「タイパ」(時間対効果)に関連した家電商品の流通総額を2019年と2023年で比較すると、約2.3倍に伸長。新生活時期に「タイパ」関連商品の需要が拡大すると予測している。
楽天が運営する「楽天超ミニバイト」が 10代~40代の男女 1,000人を対象に実施した「今年の新生活に関するアンケート調査」では、Z世代(10代~28歳)の回答者のうち約7割が「タイパ」を意識して行動していると回答。一方で、30代~40代では「『タイパ』を意識して行動している」と回答した人は4割にとどまったという。
また、生活で「タイパ」を意識するシーンは両世代ともに「移動中」「隙間時間」「家事」が上位を占めた。「楽天市場」ではロボット掃除機やオーブンレンジ、食器洗い乾燥機、布団乾燥機など「タイパ家電」の需要が高い傾向。また、直近では外出需要の増加によって、外出先からアプリなどで家電を操作できるスマートリモコンや、旅行先でも使用できるハンガー型乾燥機など、より細分化されたニーズにあわせた「専用タイパ家電」の注目が高まっているという。とくに「楽天市場」におけるスマートリモコンとハンガー型乾燥機の流通総額は、前年同期比でそれぞれ約2倍に伸長。
さらに、「タイパ家電」として人気が高いオーブンレンジを活用して手軽に調理ができる「冷凍食品」の「楽天市場」における2023年の流通総額は、2019年比で約4.9倍と大きく伸長した。
②インフレ対抗消費
「楽天市場」では、家電やスマートフォン・タブレットなどリユース商品の需要が拡大傾向で、2023年の流通総額は、リユース家電が2019年比で約1.3倍。スマートフォン・タブレットにおいては2019年比で約1.5倍とそれぞれ伸長した。
先述の調査でリユース家電をどのような理由で購入または購入検討したいか聞いたところ、最も多かった回答は、Z世代、30代〜40代ともに「お得に購入できるから」という結果になった。
また、箱つぶれや旧型番などのインテリアや家電などアウトレット商品の需要も拡大。2023年の流通総額は、2019年比で約1.2倍に伸長したという。
③インテリアAR機能
先述の調査によると、Eコマースで大型の家電やインテリアなどの購入経験がない人のうち、約6割が「設置・搬入の際のサイズ感がわからない」「実際に質感を確認したい」を理由に購買まで至っていないことが判明。オンライン上で商品を購入する前のサイズや質感の確認に課題があることがわかった。
その結果を受け、同調査で「AR機能を利用したいか」を聞いたところ、7割以上が「利用したい」と回答。新生活時期においてもAR機能を活用した大型インテリアの購入が増えると予測している。
④防災グッズ点検
楽天市場によると、新生活を始める時期は、家に備える防災グッズの内容を見直すタイミングとしても適していると分析。先述の調査でも、「特に防災グッズの準備をしていない」と約3割が回答し、準備をしていない理由は「必要だと思っているが対策ができていないから」「何を揃えたらいいか分からない」「置き場所を確保できないから」が上位に挙がった。
また、「どのような防災グッズを準備しているか」については、飲料水、懐中電灯、非常食、充電器・バッテリーなどが上位を占める。「楽天市場」では防災関連商品の流通総額が2019年と2023年で比較すると約2.7倍伸長。直近では、場所を取らない小型化や防水タイプなどユーザーの目的にあわせた防災グッズへの注目や防災グッズをカタログギフトで贈る需要も拡大しており、引っ越し祝いとして活用する傾向もみられているという。