作家不足のマネキン業界 BtoC事業参入で技術向上図る、トーマネ

マネキン制作の人体造形技術を生かす

マネキン作家が手掛けるインテリアアートが誕生した。マネキンメーカーのトーマネはアートブランド「EDOMAE」を立ち上げ、2月20日に自社ECサイトで販売開始。業界全体で作家が不足する中、通常の商品とは異なる造形の作品制作を通じてクリエイターの能力向上を図る狙い。新たな客層の開拓で売上増にもつながるとみている。

同ブランドはマネキン制作で培った人体造形技術を活用したアート作品をラインナップ。「まじめにふざける」をコンセプトとしており、ユーモアを重視する顧客などを対象に訴求する。ホテル、バー、レストラン、住宅のエントランスなどでの展示を想定している。

「EDOMAE」ブランドのシリーズ作品「BANANA」の「坂 Slope」。

同社によると、マネキン事業から撤退する企業は増えており、現在の作家の数は10年前の3分の1程度と推測している。多くの工程を手作業で行っており、原形作家が一人前に成長するには約10年かかるという。商業施設に導入する際にも多くの制約があるほか、作家を育てる余裕がない企業も多い。

トーマネはこうした状況の改善に向けて作家の育成を推進。今回のブランドはマネキン制作で使わなかった視点も養うことができるとみている。同社はマネキンだけでなく、病院や事務所などの内装施工といった事業も手掛けており、「EDOMAE」で得た知見を空間演出でも生かしたい考えだ。

現在販売しているのは「BANANA」というシリーズ作品で、バナナで転ぶ様子を緻密な人体造形で表現。数量限定生産で、「坂 Slope」(税別30万円)、「波 WAVE」(同40万円)など全4種類をラインナップしている。ハンギング型で天井や壁から吊り下げて鑑賞することも可能。「EDOMAE」は、今後も年に数回の頻度で新シリーズをリリースし、ラインナップを拡充する予定だ。

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