2年の開発期間で適正糖質と味の両立を実現
江崎グリコは適正な糖質と味の両立をコンセプトとしたアイスクリーム「SUNAO Special」3種を発売した。9.9グラムの糖質と濃厚な味わいが特長。高い気温が予想されている今年の春は例年よりアイスの需要も高いと想定し、同社は「春アイス」がトレンドになるとみている。かき氷など清涼感のあるアイスが売れる夏場と比べ、春は「濃厚さ」が求められやすいことから、新製品は「春アイス」のニーズにマッチしているという。3月5日から一部コンビニで先行販売。18日から全国販売を開始する。
新商品は「バニラ」「ラムレーズン」「バニラ&クランチ」の3種をラインナップ。内容量は116ミリリットルで、希望小売価格は税込297円前後。全国販売の開始後はスーパーでの試食などを通じて訴求する。糖質制限を行っている40~60代男女だけでなく、健康面に不安を抱えている人をターゲットとしており、これまでアイスを食べていない人にも訴求したい考えだ。
糖質が気になる人や制限している人は多い一方、同社の定性調査では「健康系アイスでは物足りない」など、味に満足できないという声もあった。そこで同社は低糖質とおいしさを両立した新製品を企画。約2年の開発期間と200回以上の試作を経て完成させた。
食物繊維をローストした低糖質素材や、複数の食物繊維を組み合わせて配合する独自製法で低糖質と濃厚な風味を実現。バニラビーンズを冷凍粉砕してペースト状にすることで香りを引き立てているほか、各種素材をそのままアイスと混ぜ合わせることで素材の風味と食感を生み出している。
健康志向のアイスは競合商品も多い中、同社健康イノベーション事業本部の福永稚菜氏は「低糖質に加え、豊富な食物繊維が強み」と話す。100グラムあたりの食物繊維はごぼうやブロッコリーなどより多く含まれているという。
「SUNAO」シリーズは適正糖質をコンセプトとした食品シリーズで、アイス、パスタ、ビスケットをラインナップ。適性糖質とは毎食20~40グラムの糖質量を指す。新製品は同シリーズの既存アイスより高価だが、健康に投資する人は多いとみており、今年のSUNAOシリーズは昨年以上の売上を目指す方針だ。