米マイクロソフトは3月5日、Webブラウザー「Edge」で、サードパーティ(第三者)Cookieへの従来の対応を廃止すると発表した。将来的には、ブラウザーの初期設定として、サードパーティCookieをWebサイトごとに分割して保存する方針。
数カ月以内に、「Edge」個人ユーザーの1%未満を対象に、サードパーティCookieの廃止に向けた実験を始める。利用者が個人的に所有、使用しているデバイスが対象で、企業が社員などへ貸与する「管理デバイス(managed device)」は対象外という。個人ユーザーのプライバシー保護を優先させながら、企業への影響は最小限に抑える狙いがうかがえる。実験は2024年を通じて行われ、インターネット広告を扱う企業や、メディア企業などへ、廃止に向けた準備を促す。
広告表示用の「Ad Selection API」(広告選択API)を提供することも発表した。暗号化によってCPU外部からのアクセスから保護された実行環境(TEE)を用い、利用者データに関連した処理を、外部から参照できないようにした上で、利用者に関連する広告を表示できるようにする、とうたう。
将来的に、サードパーティCookieを排除した状態を「Edge」の初期設定とする。現行「Edge」のCookie無効化設定とは異なり、Webサイトごとに独立したCookieの保存領域を設ける。ひとつのログイン情報で、複数のWebサービスなどにアクセスできる利点などを維持しつつ、異なるWebサイトをまたいだ追跡(トラッキング)は防止する、といった利用を想定する。