海外進出に向けて商品バラエティを拡充
作業着専門店チェーンのワークマンが子ども服市場に本格参入する。子ども向け商品をそろえた新店舗「Workman Kids」を今年から展開。2月22日に「#ワークマン女子イオンモール沖縄ライカム店」の併設店として1号店をオープンした。丈夫さや柔軟性が強みの大人用ウェアをそのままリサイズし、遊び盛りの子どもにも最適な商品をラインナップする。沖縄ライカム店の売上は4日間で計画比5.1倍を達成。3月5日には「#ワークマン女子池袋サンシャインシティアルパ店」のインショップとして東京都内初の店舗が開店した。
子ども服市場は少子化の影響を受けつつ依然大きな規模を維持しており、2022年は前年比1%増の約8200億円だった。子どもが着用できる服が欲しいという顧客からの要望もあったため、同市場のシェア獲得を図ることとなった。将来的には200億円規模の売上を目指すという。
同社の子ども服の多くは、既存の大人向け商品をリサイズして販売しており、価格は通常サイズの6~7割程度。作業服として使用できるストレッチ性や耐久性が強みで、小学生や中学生の子どもの利用を想定している。Tシャツやクライミングパンツのほか、スカートや靴など約30アイテムをそろえる。
親と子どもが同じデザインの服を購入することも視野に入れている。競合の子ども向けアパレルとの差別化としても、高機能で低価格の「親子コーデ」を訴求する考え。営業企画部の丸田純平マネジャーは「子どもに訴求することで、大人に成長しても継続して利用してくれるかもしれない」と期待を込める。
6月にはECサイトでランドセルも販売開始する。名称は「ZSG03 ESスチューデントデイパック」で、本革製に比べて軽量かつ低価格。防弾チョッキに使用される生地や登山用リュックに使われるアルミ製プレートによって耐久性や剛性も高い。新規購入だけでなく、入荷待ちや買い替え需要にも応えるほか、ファッションアイテムとしても訴求する。
同社は2020年にも女性をターゲットにしたコンセプトストア「#ワークマン女子」をオープンするなど、新たな客層開拓とラインナップの拡充を図っている。3年後を目安に初の海外進出として台湾での出店を目指しており、海外展開に向けて商材のバラエティを増やす考えだ。1号店の沖縄ライカム店はアジア圏の外国人客が多く、子ども服の需要の高さを確認できたという。
池袋店の全体売上は年間3~4億円で、新たな商品追加を追い風に今年は5億円を目指す考え。同日にはイオンモール幕張新都心店でもオープンしたほか、3月22日にイオンモール宮崎店、4月26日にアリオ札幌店でも開店する。2024年度中に関東3店舗を含む計7店舗を出店する予定だ。