三井住友海上の企業広告に、地域に寄り添う人として「クレヨンしんちゃん」が登場

三井住友海上は、3月11日に人気漫画・アニメーションのキャラクター「クレヨンしんちゃん」を使った新聞広告を出稿した。

「クレヨンしんちゃん」と言えば、ユニークな言動や行動が多くの人に愛されるキャラクター。しかし、この広告に登場するしんちゃんはいつもと少し趣が違う。緑をベースにした淡いトーンで描かれ、そこに添えられたコピーは「さぁ、今日も。できることを、一つずつ。やれることを、一つずつ。」。

 

「三井住友海上は、何か損害が起きたときに、補償をしてくれる会社、というイメージが世の中の人にはあるかもしれません。もちろん、損害を補償する事業はやっています。でも、実は、事業領域はもっと広いです。昨今では、『リスクソリューションのプラットフォーマー』と謳っており、何かリスクが起きた時に、『補償』するだけではなく、事前にリスクを予測し、ダメージが起きない状態をつくる『予防』もやっているし、何かダメージが起きたときに、状態を元に戻し、平時の状態を保つ『回復』もビジネスにしています。

つまり、過去に向き合うだけではなく、未来にも向き合っている企業であり、『いってきますといって、ただいまと帰ってくる。』そんなかけがえのない日常に常に寄り添っている企業なのです。こういった企業の実態や存在意義を、世の中に共感される形で伝えていこうという考えから、新聞広告を展開することになりました」(クリエイティブディレクター 吉川隼太氏)

地震などの災害は、損害保険会社にとってはきっても切り離せない事象だ。近年、同社では家屋調査をして地震保険金の支払いをすることはもちろん、避難所に出向く、そのあとの生活を支援するなど、地域コミュニティの復興にも尽力している。このように損害保険業の範疇を超える領域にまで広がっていることから、災害に本気で向き合う同社の想いを伝えるべく、制作されたのが今回の広告だ。

そのメッセージを伝える役として抜擢されたのが、クレヨンしんちゃんである。

「三井住友海上の仕事は、みなさんの日常に関することなのに、説明していくと小難しくなりがち。だからこそ、世の中にすでに受け入れられているキャラクターに代弁してもらったほうがいいのではないか、という議論をしていきました。その中で、地域に寄り添いながら、日々を楽しく前向きに生きるクレヨンしんちゃんの家族を起用することにしました」(吉川氏)

「元々、このコピーを書いていたのは去年でしたが、年が明けてさまざまなことが起こり、メッセージの構造を一から変えました」と、コピーライター 小山佳奈氏。

「届け方を間違えると言葉は簡単に人を傷つけてしまう。正確に書くこと。真摯であること。言葉を書くことの責任を強く思いながら書いたのが今回の原稿です」

今回、このような優しいトーンで広告をデザインした理由を、アートディレクター 畝見謙人氏は次のように話す。

「何気なく過ごす毎日、普段はあまり気にしていませんが、それはかけがえのないことなんだと定期的に考えさせられます。そんな日常を身近に感じられる存在として、野原家のありふれた毎日のふとした瞬間を絵にしました。ぼくらが子どもの頃から見てきたしんちゃんとは少し違う側面を捉えたかったので、三井住友海上のイメージカラーである緑をベースに2トーンで構成して、日常の尊さや安心感を伝えたいなと考えました」

この広告は3月11日に朝日、毎日、日経、読売新聞の中央4紙の他、東奥日報、岩手日報、河北新報、福島民報、福島民友という東北の新聞5紙にも出稿している。そして、同社ではこういった存在意義を伝える広告を、今後シリーズとして続けていく考えだ。

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スタッフリスト

企画制作
電通、上田家、J.C.SPARK
CD
吉川隼太
C
小山佳奈、大野すみれ
AD
畝見謙人
D
藤井亮、東織枝

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター

 




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