優れたダイレクトメール(DM)を顕彰する第38回全日本DM大賞(日本郵便主催)の各賞が3月14日に発表され、グランプリは北海道産地直送センター(札幌市)が選ばれた。出品した2つのDM「過去最高の受注率32.2%!購入履歴反映ビンゴDM」と「反応率1.8倍&購入単価2倍!ほたて型リピート促進(ほたてDM)」を合わせての受賞で、いずれも高い評価を得た。
同社は海産物や農産物などの北海道産品を扱う通販会社。「ビンゴDM」は年3回以上購入の顧客に送付したもので、顧客ごとに購入履歴から導き出した商品を縦・横・斜めに配置したビンゴカードを同封。マス目に記載した商品を購入し1列揃うごとに同社商品がプレゼントされるルールで、クロスセルに貢献した。制作者はプラナクリエイティブ。
一方、ほたてをかたどった形状が目を引く「ほたてDM」は、人気商品のほたてとのセット購入を勧めるA案と、ほたて以外の商品を単品で勧めるB案を作成してABテストを実施。ECサイトへの動線として個別の二次元バーコードを付与し、顧客のサイト上の行動を把握できるようにした。制作者は富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとプラナクリエイティブ。
そのほか、金賞はアシックスジャパン(制作者:富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、フュージョン)、ソフトバンク(同TOPPAN)、常磐興産 スパリゾートハイワンズ(同シスク)が受賞した。
グランプリを受賞した北海道産地直送センター 代表取締役の三好正洋氏は、同日開かれた贈賞式の壇上で、「様々な無理難題に応えていただいたパートナーの皆様に感謝申し上げたいと思います。これからも、お客様に感謝の気持ちを伝えながら、データをミックスしたDMに力を入れていきたい」と喜びを表した。
審査委員長を務めた恩藏直人・早稲田大学 商学学術院教授は、「以前は五感に訴えるDMが審査で評価されてきたが、コロナを経て変わった。SDGsを意識しているのか見た目はシンプルでも、データの活用や分析、SNSとの連動など、裏側で様々な工夫をしているものが多かった」と講評を述べた。
本賞は、2022年4月1日から2023年9月30日までに制作され、発送されたDMが対象。応募703作品の中から「戦略性」「クリエイティブ」「実施効果」の3つの評価軸で26の入賞作品が選ばれた。
各賞の詳細は「全日本DM大賞」公式Webサイトに掲載しているほか、入賞作品を収録した書籍『【事例で学ぶ】成功するDMの極意 全日本DM大賞年鑑2024』は3月27日に発売される。現在Amazonで予約注文を受け付けている。