アサヒビールは3月19日、新ジャンル「クリアアサヒ」の新たなテレビCM「飲みたくなったら、歌おう。」篇など2本のオンエアを開始する。Webでも「YouTube」のほか、「TikTok」や「Instagram」「X(旧Twitter)」で動画を全13篇配信する。100万人を対象としたオープンキャンペーンも実施。改めて「気軽に、手軽に飲めるブランド」として打ち出し、飲用喚起を狙う。
コンセプトは「歌おう。クリアアサヒ」とし、往年の名曲『東京ブギウギ』の替え歌『クリアブギウギ』を改めて前面に出す。イメージキャラクターには、俳優の吉岡里帆さん、歌手で俳優の北村匠海さん、歌手の坂本冬美さんを起用。性別・世代の垣根なくアピールする狙いで、3人それぞれがCM中で『クリアブギウギ』を歌う。店頭でも音声POPを用い、『クリアブギウギ』を流す予定。
『クリアブギウギ』は2011年ごろに使用したCM楽曲で、当時はバンド「ウルフルズ」のボーカル・トータス松本さんが歌っていたもの。当時のTwitter(現=X)などオンライン上でも話題になった。「クリアアサヒ」の発売は2008年。トータス松本さんは『クリア!』と題したCM楽曲も2010年に提供している。
「2024年は気持ちが開放に向かっていく年。体も心も晴れやかになっていく中で、どう『クリアアサヒ』のブランド価値を伝えるかを考え、「歌おう。クリアサヒ』というコンセプトに行き着いた」と話すのは、アサヒビールの倉田剛士・ビールマーケティング部長だ。
「お客さまの記憶に残っているものを改めて確認し、『クリアサヒ』は歌がブランドのシンボルになっていると考えた。また、味わいの価値として、狭義のビール類においてはキレや飲みごたえ、コクといった訴求をする中、『クリアアサヒ』は『飲みやすくておいしい』という点を評価いただけている。そうした点も、今回からのコミュニケーションには込めている」(倉田氏)
「歌おう。クリアアサヒ」のコンセプトは、2023年の夏ごろから検討を始めていた模様。Webでは同年11月から、元乃木坂46の齋藤飛鳥さんを起用した動画を配信し、『クリアブギウギ』を口ずさみながら、「飲みやすくておいしいのが、いちばん。」のキャッチフレーズを用いていた。
「クリアアサヒ」は2023年1〜9月までは前年比102%で推移したが、酒税法改正による税率引き上げで向かい風。23年通年では年間目標の1350万ケースを1417万ケースと上回ったものの、前年比では98.9%で着地した。
新ジャンルと発泡酒の税率が同等となり、2020年2月以降、350ミリリットルあたり37.8円だったのが、23年10月から9.19円上がり、同46.99円となっている。2026年にはビール、発泡酒、新ジャンルが一本化され、350ミリリットル換算で、54.25円となる予定。
「酒税法改正前後の動きとしては、『クリアアサヒ』自体は平均値より上の状態で動いている。特に家庭用の缶としては、ビール、発泡酒、新ジャンルの比率は同程度。狭義のビールへの移行ももちろんあるだろうが、新ジャンルのお客さまも3割程度は残るのではないかとみている。
気軽、手軽に飲めるという独自の価値をどうコミュニケーションするかがカギで、テレビCMはもちろん、SNSで13パターン配信するほか、店頭での訴求も強め、お客さまとの接点を多く設けたい」(倉田氏)
3月18日からは100万人を対象としたオープンキャンペーンを「X」と「LINE」で実施。「X」の当選者数が10万人、「LINE」の当選者数が90万人。4月1日までの間、1日1回応募でき、当選すると、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップで「クリアアサヒ」350ミリリットル缶1本と引き換えられるクーポンコードがもらえるというもの。テレビCMでも「100万人に配っちゃいます!」篇を流す。