新刊『ビンゴ型コミュニケーションプランニング』(横山隆治、トレンダーズ株式会社著)が3月21日に全国の有力書店とオンライン書店で発売します。SNS時代ならではのコミュニケーション設計手法を提唱し、SNS上からパーセプションを抽出するための分析フレームワークも初公開します。
- マーケティングファネルや
- カスタマージャーニーモデルはもう破綻している。
- なのに違和感を持ったまま使い続けていませんか?
- 「順列」のジャーニーモデルから
- 「組み合わせ」のビンゴカードモデルへ。
- SNSを使ったパーセプションの抽出方法から、
- 施策への落とし込みまで全解説!
SNSの普及によって情報との接触方法が変わり、消費者の購買行動も大きく変化しました。「ビンゴ型コミュニケーションプランニング」は、SNS時代ならではのコミュニケーション設計手法として開発されたものです。買い手のブランドに対する認識(パーセプション)をスタート地点に置き、プランニングを行うプロセスに特徴があります。
横山隆治氏が発案したこのモデルをもとに、トレンダーズと共同でマーケティングの現場で実践できる具体手法を構築しました。本書は、この新しいコミュニケーション設計の実践ノウハウを、SNS分析フレームワーク「NINEパーセプション」と共に解説していきます。
従来のマーケティングファネルやカスタマージャーニーのように、ターゲット全員が同一の購買行動をたどる前提の考え方は現状にそぐわなくなっています。ビンゴ型では「購買行動は人によって異なり、小さなパーセプションチェンジの積み重ねが購買行動につながる」と考えます。
この一冊で、その設計から施策への落とし込みまで、全てを詳細にお伝えします。
なぜ「ビンゴ」なのか?〜消費者1人ひとりが異なるビンゴカードを持っている
一般的なビンゴカードは、それぞれ書かれている数字が違い、いくつも種類があります。「ビンゴ型コミュニケーションプランニング」では、消費者1人ひとりがこうしたカードを持ち、カード記載されたナンバーを消費者パーセプションだと考えます。数字の種類や配列は人によって違うため、穴が開いていく順番は違いますが、一列の組み合わせが揃うとビンゴ!=購買意志決定となります。
- ①パーセプションの組み合わせ(カード)は複数ある
- ②順列ではなく組み合わせである
- ③カードごとのコミュニケーション戦術に落としやすい
本書で扱うのは、「世の中の認識を変える」ような“大きな”パーセプションチェンジではなく、消費者個々の内面に起こる“小さな”パーセプションチェンジです。どんなパーセプションが揃うとビンゴ!=購入になるのか?そのパーセプションの変化を起こせるコミュニケーションとは何か?を思考することで、どんな施策が想定できるかも同時に考えることになります。
SNS分析のためのフレームワーク「NINEパーセプション」
SNSから消費者のパーセプションを抽出するために独自開発したフレームワーク「NINEパーセプション」を本書で初公開します。9つの視点でパーセプションを抽出することで、抜け漏れを防ぐだけでなく、ターゲットの解像度が高まったり、新ターゲットの発見にもつながる効果があります。
ほかにも、SNS分析に使える検索テクニックや、ChatGPTを使ったSNS分析も紹介します。
目次
第1章 「ビンゴ型」コミュニケーション設定
カスタマージャーニーモデルの違和感/マーケティングファネルも破綻している/「順列」から「組み合わせ」に、「双六型」から「ビンゴ型」へ /USP重視のモデル設計とUBP重視のモデル設計/「ビンゴカード」をつくるとターゲットが発見できる/スモールマスの発見と施策の開発にもつながる/マーケティングプロセス表をつくる〜ビンゴカード作成のプロセス
第2章 リアルなパーセプションを抽出するためのSNS分析
注目を集める「パーセプション」という概念 /大きなパーセプションチェンジか、小さなパーセプションチェンジか? /小さなパーセプションチェンジを積み重ねて購買へ ~ある日焼け止めの例/リアルなパーセプションをSNSから抽出する/SNS分析から得られるのは、マーケターの主観を排した消費者のフラットな意見/興味関心や価値観ベースでのユーザー分析にも向いている/SNSの情報は「どんなアカウントからの発信か」も大事/SNS分析は複合的に読み解く力が求められる/【1】プラットフォームは読み解きたい内容に合わせて選ぶ/【2】目的に合わせて「定量」と「定性」分析を使い分ける/【3】分析をする前に「仮説立て」をする
第3章 パーセプション抽出の偏り・抜け漏れをなくすには
パーセプション抽出のフレームワーク 「NINEパーセプション」/「NINEパーセプション」はUBP発想を身につける訓練にもなる/パーセプション抽出のタイミング設定は? /「NINEパーセプション」が組織間の共通言語になる
第4章 「NINEパーセプション」をもとにした、「ビンゴ型」コミュニケーション設計
「ビンゴ型」コミュニケーション設計の実践 /ビンゴの穴があく」とはどういうことか? /ついやりがちな「USPから考える」発想に要注意/「NINEパーセプション」をもとに、「Before」のパーセプションを抽出する/「Before」の状態をふまえて、目指すべき「After」を考える/「Before」から「After」にパーセプションを変換させるファクターを検討する/「ビンゴリスト」に記載するパーセプションは、9つぴったりでなくてもOK/「ビンゴ型」コミュニケーション設計におけるテレビCMの立ち位置/「ビンゴリスト」の作成は複数部署が参加するのが望ましい
第5章 ケーススタディ:あるシートマスクの「ビンゴリスト」作成
「ビンゴリスト」をつくるプロセス/「NINEパーセプション」の項目ごとに見る、 変換ファクターを導くまでの流れ/「ビンゴの穴があく」具体的なイメージ/複数のカードで同時に穴をあけるファクターも存在する/消費者によって、持っているカードは違う/ターゲットの解像度を上げること・新しいターゲットを発見することにもつながる/シートマスクAの具体プロモーション例/シートマスクAで実際に行った施策
対談 「NINEパーセプション」は組織の課題を解決する切り札にもなる
横山隆治×橋本菜々子(トレンダーズ)
コラム
- ・ChatGPTをSNS分析に活用する方法
- ・X をパーセプション抽出で使いこなす検索テクニック
- ・SNS施策の効果を可視化する「熱量分析」とは
著者紹介
横山隆治(よこやま・りゅうじ)
横山隆治事務所(シックス・サイト)代表
株式会社ベストインクラスプロデューサーズ 取締役
トレンダーズ株式会社 社外取締役
青山学院大学文学部英米文学科卒、ADK(旧旭通信社)入社。1996年DAコンソーシアム起案設立、代表取締役副社長就任。黎明期のネット広告の理論化、体系化を推進。2008年、ADKインタラクティブ代表取締役社長就任。2011年デジタルインテリジェンス代表取締役社長、現横山隆治事務所(シックス・サイト)代表。企業のマーケティングメディアをP・O・Eに整理する概念を紹介。主な著書に『トリプルメディアマーケティング』(インプレス)、『広告ビジネス次の10年』(共著、翔泳社)、『CM を科学する』(宣伝会議)ほか多数。
トレンダーズ株式会社
2000年の設立以来、幅広い業界の企業に向けて、常にトレンドを捉えた最先端のマーケティングソリューションを開発・提供。世の中の空気や生活者の細かなインサイトを捉えたコミュニケーション提案を得意とする。近年は、インフルエンサー事業、デジタル広告を中心に、時代に合ったベストな手段を駆使して、クライアントのマーケティング課題の解決に貢献。また、SNSを用いたユーザー動向の分析力にも定評があり、その分析結果に基づいた独自のSNSメソッドも多数考案している。
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