JCOMは、従業員向けにフェムテック・フェムケアイベント「J:COM meets Femtech!」を、3月18日に本社オフィスで開催し、従業員110名に加え、フェムテック分野の発信を行う元AAAの伊藤千晃が参加した。「従業員一人ひとりが自分や周囲の人たちの健康に向き合う」きっかけづくりを図った。
イベントでは、セミナーと、国内外のフェムケア・フェムテック製品の展示会を実施した。
セミナーは、「自分自身や周囲がよりよく働くためのヒント」をテーマに、フェムテック事業を展開しているfermataのセールスマネージャーの森本将也氏が登壇。
また展示会は、日本未上陸を含むフェムテック・フェムケア製品などを40品、本社内の一室にて紹介した。
展示会は一部の時間の入室を女性限定とし、個人によって受容度が異なる可能性がある点にも配慮した。またセミナーは後日アーカイブ配信を行い、個人で受講できるようにするなど、心理的負担を軽減し安心して学べる環境づくりにもこだわったという。
実際に参加した従業員は、「展示を見ること自体がハラスメントになるのではないかと不安に思っていた」が、「実際に自分の目で見て知ることで、タブーではないのだなと実感した」という。新たな気づきにつながったといった感想が寄せられている。
また伊藤千晃はイベントの開催について「男性が発案者と聞いて、女性のつらさに気付き寄り添ってくれたことが女性として嬉しいし、希望があると感動しました」とし、「会社全体で課題を解決しこれが社会全体に広がり、“頑張ること”ではなく“当たり前”の世の中になってくれたらいいなと。こういった企業の動きから国が変わっていく可能性があると思います」と期待を込めた。
発起人は男性社員
イベントを発案したのは、経営企画部の男性社員、鈴木直也氏だった。
「同僚の女性がPMSの症状で出社できなかったことや、家族が婦人科系の疾患で手術をしたことがあり、テクノロジーの力で症状が緩和されたり、疾患の早期発見につながったりするのではないか、と考えました。ウェルビーイングの実現はもちろん、事業機会を考える場になれば」と、開催への思いを語る。
そこで鈴木氏を含む、有志社員16名が推進メンバーとなり、自発的な働きかけで実現したという。
推進メンバーは、イベント前に従業員800名を対象に、「フェムケア」に関する社内アンケートを実施した。健康不調を感じたことがある女性従業員は約8割に達する一方、解決方法としては「市販薬を利用する(29%)」に次いで「我慢する(25%)」が高かった。またフェムテックの認知度が半数を下回るなど、女性が生き生きと安心して働ける環境への課題を感じたという。
この結果を受け、イベントにより従業員向けウェルビーイングの向上はもちろん、フェムテック市場を知り新たな事業を考えるきっかけづくりとしての場を目指した。
開催を振り返り鈴木氏は、このイベントをきっかけに、自社にとどまらず働くすべての人に情報を届けていけたらいいなと思っています。今後も若手社員がポジティブに新しいムーブメントを起こせる文化を、会社全体で作っていきたいです」と展望を語った。