博報堂DYホールディングス(HD)は3月25日、4月1日付で設立する新会社の社名を「Hakuhodo DY ONE(HDY ONE)」とすると発表した。新会社にはデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)やアイレップのほか、博報堂や博報堂DYメディアパートナーズからも人員などを集め、3000人体制を構築する。
シンボルマークの「O」は、ONEの頭文字を取ったものだが、社名と合わせデジタル技術と縁深い2進法の「0(ゼロ)」「1」の意味も込めている。「0から1を生み出す」という姿勢も表しているという。
HDY ONEは新会社として設立し、今後1年間をかけてHDY ONEがDACとアイレップを吸収、統合する。4月1日時点では、DACとアイレップの社員が出向して運営する形態を取る。両社のグループ会社各社も新会社の傘下に入る。代表取締役会長は田中雄三DAC社長、代表取締役社長は小坂洋人アイレップ社長がそれぞれ就任する。
博報堂DYHDが2024年度から始める中期経営計画の一環。同中計では、「コンサルティング」「マーケティング」「グローバル」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」の6つの重要事業領域を定めており、新会社は「マーケティング」の中でも、デジタルの中核となる役回り。立ち上げに合わせて、AI(人工知能)技術や消費者データを活用した基盤のベータ版も稼働を始める予定。
博報堂DYグループ全体のインターネット領域の売上高は2023年3月期で、前期比11.7%増の4049億3000万円。24年3月期第3四半期累計も同比2.9%の3005億3900万円で進んでいる。一方、のれん償却前営業利益は現中計目標の期間平均7%増を下回り、4%減と課題も残る。HDY ONEでは約4050億円のネット売上高の伸長のほか、顧客企業との接点の一本化、窓口や運用の統合管理で、生産性向上も図る考え。