2024年度は白物家電が伸長すると予想 23年度国内出荷額は1.6%減の2兆5455億円

2月はルームエアコンが6カ月ぶりにマイナス

日本電機工業会(JEMA)はこのほど、白物家電の2023年度国内出荷の見込み金額を発表した。消費者の外出機会がコロナ禍前の水準に戻り、旅行や外食などのサービス消費に需要がシフトしたことで、前年度比1.6%減の2兆5455億円と予想。物価高騰で消費者の節約志向が高まっていることも影響したとみる。一方、2024年度は前年度見込比1.2%増の2兆5748億円になると見通している。実質賃金の上昇、総合経済対策の効果による消費マインドの回復、インバウンド需要が国内出荷金額を押し上げると予想する。

2023年度に大きく伸長したのは、外出機会の増加やインバウンド需要が後押しした電気シェーバーで、前年度比13.9%増の529億円。洗濯機も4103億円(同2.6%増)で、ドラム式洗濯乾燥機へのシフトなど、製品単価の上昇が出荷金額を押し上げた。

一方、ルームエアコンは7751億円(同2%減)となった。夏は猛暑だったが、高水準だった前年の反動が大きかったとみる。秋以降は出荷がプラスに転じたが、前年度の水準には届かない見込み。冷蔵庫も4277億円(同4.1%減)と不調で、物価高騰による買い控えや買い替えサイクルの長期化も影響している。コロナ特需の反動減が継続する空気清浄機も524億円(同6.1%減)となった。

製品単価の上昇による出荷金額の押し上げで、直近の10年平均(2兆4128億円)を上回る水準は維持した。

2024年度の見通しでは、今年度不調だったルームエアコンが回復し、前年度見込比1.9%増の7901億円になると予想。空気清浄機もコロナ特需の反動減から回復するとみており、535億円(同2%増)になるとみこむ。冷蔵庫も大容量機種の伸長による単価上昇で、同0.1%増の4282億円を予想している。今年度売れた電気シェーバーはインバウンド需要で好調を維持し、洗濯機もドラム式へのシフトが進むことで前年度を上回るとみている。

2023年2月単月では、白物家電の国内出荷金額は1881億円(前年同月比2.3%減)で2カ月連続のマイナスとなった。食料品の値上がりが落ち着いたことで消費者マインドは改善したが、白物家電への支出にはつながっていないという。冷蔵庫は363億円(同1.8%増)で2カ月ぶりにプラスとなった一方、ルームエアコンは508億円(同1.8%減)で6カ月ぶりのマイナス。電気洗濯機は315億円(同4.1%減)と8カ月連続で減少した。

出荷台数ではルームエアコンが60万7000台で前年比1.2%増となった。金額ベースではマイナスとだったが、台数ベースでは6カ月連続のプラスだった。冷蔵庫は29万4000台(同7.2%)で2カ月ぶりのプラス。冷蔵庫全体の約4割を占める「401L以上」の大型タイプは、12万2000台(同1.4%増)で2カ月ぶりに伸長した。

洗濯機は33万8千台(前年比8.2%減)で8カ月連続のマイナスだったが、ドラム式は7万9000台(同2.6%増)で2カ月ぶりのプラスとなった。掃除機は42万3000台(同7.6%増)で2カ月ぶりに伸長。うちスティック形は27万7000台(同4%増)で、軽量化や吸引力を強化した製品が消費者の支持を集めているとみられる。

調理家電では、電子レンジが28万台(同18.2%減)となり、7カ月連続のマイナスとなった。オーブンレンジも17万6000台(同27.3%減)で、7カ月連続で減少。ジャー炊飯器は37万1000台(同12.8%減)で5カ月連続のマイナス。うち「IH式」も26万2000台(同11.2%減)で、4カ月連続で減少した。

IHクッキングヒーターは5万4000台(同11.8%減)となり、11カ月連続のマイナス。うち「2口以上ビルトイン型」も5万1000台(同12.8%減)で、11カ月連続で減少した。

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