サッポロビールは3月27日、旗艦ブランドの「サッポロ生ビール黒ラベル」のキャンペーンの一環で、体験イベント「THE PERFECT 黒ラベル EXPERIENCE 2024」を開始した。複合施設「東京ミッドタウン」(東京・港)を皮切りに、全国11カ所で6月2日まで、断続的に開催する。若年層を中心に、新たな飲用者を獲得する狙い。イベントは全体で5万人の来場を目指す。
ビールサーバーを備えた車両「THE PERFECT TRAILER」を中心とした会場で、「黒ラベル」を1杯500円(税込)で提供する。一部会場を除き、会員制情報サイト「CLUB黒ラベル」で販売するタンブラーや帽子、デニムなども販売する。会場は東京のほか、札幌、新潟、仙台、浜松、名古屋、大阪・梅田、神戸、広島、福岡、鹿児島の11カ所。「THE PERFECT 黒ラベル EXPERIENCE」は2019年以来の開催となる。
27日に開催したメディア向け発表会では、10年越しでブランドキャラクターを務める、俳優の妻夫木聡さんが登壇。イベント会場の「東京ミッドタウン」で、最初の来場者に選ばれた一般参加者に、妻夫木さんがサーバーからビールを注いで手渡すパフォーマンスも実施した。
「黒ラベル」は2023年12月の製造分から中味を刷新している。ポイントは「泡」で、イベントを通じて体験を促す。注がれたビールの泡と液体の間に生じる霧状の泡の層=フロスティミストが味や泡の再生力を左右するという。
リニューアル後の出荷実績は24年1月が前年同月比120%、2月は同比150%で好調に推移している。酒税法改正でビールは税率が70円(350ミリリットル換算)から63.35円(同)に下がったのも追い風となった。
「ビール市場の拡大には、ビールへの関心、憧れを高めることが重要と考えている。27日から始めるイベントは、これまで『黒ラベル』を支えてくださった熱狂的なファンの皆さまはもちろん、新たに『黒ラベル』にふれられる方々との接点にしたい」(サッポロビール マーケティング本部 ビール&RTD事業部の永井敏文部長)
24年度は広告出稿も増やす。昨年から増加傾向だが、引き続き注力する考え。永井部長は「マスメディアはもちろんだが、オンラインなども含め、トータルで増加させ、ブランドの勢いをさらに高めていきたい」とした。
会員制情報サイトの「CLUB(クラブ)黒ラベル」の会員も伸長している。23年3月時点で会員数は51万人。24年度は75万人に増やす。サイト自体は26年をめどに100万人の目標を掲げている。同年にはビール税率がさらに下がり、54.25円(350ミリリットル換算)となる。
黒ラベルブランド全体の2023年の実績は1556万ケースで、前年比111.2%となった。24年度の目標は同比112.6%の1752万ケース。「黒ラベル」単体では同比110.6%を目指す。