サントリーは4月1日、「サントリー生ビール」の新たなテレビCM「雨上がる」編のオンエアを始める。テレビCMのほかデジタルやイベントなど、各メディアでの訴求を高め、23年比150%の年間目標を追う。
テレビCMは3月〜6月にかけ、1万5000GRPを出稿。イベントは2024年、全国で1000万人規模で体験機会を設ける。20歳代など若年層をターゲットとしたデジタル施策や、2023年11月から実施して好評だった、人気音楽ユニット「YOASOBI」とのコラボも継続する予定。
「サントリー生ビール」の販売を開始した4月4日が、「YOASOBI」の作詞・作曲を務めるAyaseさんの誕生日と同じこともあり、前日の3日には「サントリー生ビール」と「YOASOBI」のコラボレーション企画を振り返るリアルタイム動画配信を行う。
「サントリー生ビール」は購入者のうち、20〜40歳代の構成比が高い特徴がある。インテージのデータでは、ビール購入者全体の平均では、20〜40歳代の割合が36%に対し、「サントリー生ビール」は5ポイント高い41%だった。調査は2023年4月4日の発売後5週間経過後。サンプル数は5万1515人。
「『YOASOBI』さんとのコラボも、若年層へのアプローチとして非常に有効だった施策のひとつ」と話すのは、サントリー ビールカンパニー マーケティング本部の内丸研一郎・プレミアム戦略部長。
「長期的に酒離れ、特に若年層のビール離れが叫ばれる中、パッケージや中味、そしてコミュニケーションにおいて、『これからの時代の新しいビール』を強く意識している。さまざまな変化が渦巻く時代のビールの役割として、あすへ向かう元気、活力になるビールとして開発した。2024年にも期待いただきたい」(内丸氏)
飲食店と家庭用の連携も図る。飲食店での体験を、小売店頭でも想起させるようなプロモーションを展開する。「業家連携」の施策は過去にもサントリーウイスキー角瓶でつくる「角ハイボール」や、「ザ・プレミアム・モルツ」などの成功例がある。「サントリー生ビール」の飲食店への導入は好調で、3月5日の業務用のビン、樽の販売開始から約2週間で、取り扱い店舗数が1万点を超えた。パッケージデザインも、業務用のビールサーバー用の「樽」を意識した。
テレビCM「雨上がる」編には、新たにイメージキャラクターとして、歌手のアイナ・ジ・エンドさんが出演するほか、アニメ『ルパン三世』のキャラクター、峰不二子も登場する。CMは特定の世代にしぼらず、広範囲にアピールする狙い。2023年から出演する俳優の山﨑賢人さん、上白石萌音さん、坂口憲二さん、お笑いコンビ「オズワルド」の畠中悠さん、伊藤俊介さんも続投。
「サントリー生ビール」の2023年の販売数量は399万ケースで、年間計画比の1.3倍となった。24年の目標は600万ケースで、23年比150%。生産体制もビール2工場からビール4工場すべてでの製造に切り替え、強化している。