ユニバーサル ミュージックは、NHKで放送された『RADWIMPS 18祭』のパフォーマンス音源「正解(18FES ver.)」の正式スタジオレコーディング音源「正解」を1月24日に配信、そして生産限定盤CDを2月28日に発売した。
『18祭』は18歳の想いをもとにつくる新曲を、18歳世代1000人と一緒にパフォーマンスする一度きりのステージを行う番組。RADWIMPS は2018年に出演している。放送以降、毎年春になると生徒・教師が自発的に卒業式等で「正解」を歌唱し、その映像がSNSや動画配信サイトに投稿され、RADWIMPSのもとに届いていた。そこで今回、RADWIMPSはこの曲を新録音するとともに、CDだけではなく、譜面ピース3冊(オリジナル/混声三部合唱/女性三部合唱)とブックレット、さらに暗記シートが付属された限定盤を発売したのである。
「『正解』は卒業式でたくさん歌われている名曲で、僕自身も大好きな曲でした。このセットを届けることで、今年の卒業式に向けてみんなで歌ってくれている姿も想像できて、すごく届ける意義を感じました」と、デザインを手がけた玉置太一氏。
「正解」のCDには野田洋次郎さんのメインボーカルと学生合唱の歌唱による「正解」とそのInstrumental音源に加え、合唱とピアノのみで録音された混声三部合唱・女声三部合唱音源とそのピアノ伴奏音源、全5トラックが収録されている。このCDを発売するにあたり、RADWIMPS側からは「楽譜やライナーノーツなどセットにした、卒業アルバムのような形を作りたい」という依頼があったという。
当初は卒業アルバムらしいデザインを検討していたが、「何度も何度も曲を聴いていると、なんかそういう表面的なデザインにしたくないなと思ってきて。一人一人の声も素晴らしいし、さまざまな想いも乗っていて。やっぱり主役は『人』であるべきだと思いました」。
そこで、頭の中にあるさまざまな学生のシルエットを描き出して重ねてみた。すると、みんなが一緒に歌っているようにも見えてきた。
「『正解』はもともと合唱の曲ですし、一人で歌う曲とは違うアイデンティティが生まれたと思いました」
重なり合った合唱ヴィジュアルが生まれた後、もう少し何かができないかなと検討を続けた。
「というのも、今回は配信画像などのヴィジュアルだけじゃなく、楽譜とセットで現物を届けるものだったりするので、実際に手に取った時に感動できたり、みんなで楽しめたり、何かそういうものを届けたいなと思っていました」
そこで思いついたのが、勉強の時に使っていた赤い暗記用シートだ。重なり合った合唱ヴィジュアルに赤いシートをかざすと、たった一人の姿が浮かび上がってくる。楽譜もノートサイズであり、シートをかざす体験としてはピッタリだと考えた。
「曲名も『正解』なので、この仕掛けはみんなわかりやすく楽しんでくれるんじゃないかと思いました」
CDジャケットの表裏や、盤面、ライナーノーツや、楽譜の表裏などは、すべて同一の重なり合った合唱ヴィジュアルだが、シートをかざすと、全部違う人、全部違う文字が浮かび上がる。
「ここもこだわったポイントで、全部違う正解というか、たくさんの正解があるというか、そういうことをとてもデザインで大事にしました」とはいえ、すべての学生が赤シートを持っているとは限らないため、CDや楽譜と一緒に同梱して届けることに。在庫の確保などのハードルはあったが、さまざまな協力のもと、実現できたという。
発売後、ファンからは暗記シートの懐かしむ声や、それぞれ別の生徒たちが浮かび上がる仕掛けを楽しむ声など、ストリーミングやダウンロードが主体となりつつある現代の音楽シーンにおいて、CDパッケージならではの仕掛けへの反響が寄せられた。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通
- CD、AD
- 玉置太一
- D
- 菅原良太、田口美希
- CPr
- 大聖亜希