「@cosme」と「MimiTV」が業務提携 美容マーケ支援の最強コラボ

コスメ・美容の総合サイトから、化粧品専門EC、化粧品セレクトショップのリアル店舗など、オンライン・オフラインを通貫した美容関連総合サービスの運営を手掛ける「@cosme」と、SNSを中心とした豊富なコンテンツが美容好き女性に人気の「MimiTV」。競合にも見えた両メディアの運営会社が2024年2月、資本業務提携を発表した。両社がなぜいま手を結んだのか?そして、その動きは美容メーカー各社および消費者にとってどんな変化をもたらすのか。

左)トレンダーズ MimiTV Div. 事業責任者 中谷友里氏、右)アイスタイル ブランド体験ユニット 副ユニット長 田中大介氏
左)トレンダーズ MimiTV Div. 事業責任者 中谷友里氏、右)アイスタイル ブランド体験ユニット 副ユニット長 田中大介氏

「ストック型」の@cosmeと「フロー型」のMimiTVが連携

─お二人の担当領域についてお聞かせください。

田中:私が所属する「ブランド体験ユニット」では、化粧品メーカーや、広告会社などに対するプロモーション活動やマーケティングの支援をしています。その中で、私の主な仕事は、当社の事業アセットであるメディアやリアル店舗、ECサイトなどを中心に、リアルとデジタルの様々な接点を組み合わせながら、企業様にとって魅力的なブランド体験を創出することです。

中谷:「MimiTV」で事業責任者をしています。私の仕事も田中さんと同様に化粧品メーカーや広告会社に向き合ったプランニングを行いながら、課題解決を考えることが多いですね。「MimiTV」編集部の統括をする編集長でもあるため、生活者がいま知りたがっている情報、SNSのトレンドの変化などを生かしたプランニングを得意にしています。

─両メディアの違いや共通点について、それぞれどのように分析されますか。

田中:当社が運営する「@cosme」は、「ストック型」のビジネスモデルと言えます。商品発売前から得られるユーザーの反響、使用後の反響でもあるクチコミに至るまで、全てがデータとして蓄積していく積み上げ式のプラットフォームだからです。それらのデータが蓄積することでアクセス流入も増え、店頭やECでの販売も累積的に高まっていくのが特徴です。ただ、SNSが主戦場となる場合の消費者行動は、「今、この瞬間」に流行っているもの、というトレンドサーチ的な色合いがより濃くなる。そうした瞬間風速的な話題化やバズから認知を獲得していくという点は「MimiTV」さんが得意とされていて、「@cosme」とは使われ方に違いがありますね。

中谷:田中さんがおっしゃる通り、「@cosme」がストック型だとすれば、「MimiTV」は「フロー型」だと思います。「フロー型」とはつまり、早期の認知を取ることで、SNS上の話題づくりを狙うモデルです。「MimiTV」には固定したアプリやサイトはなく、感度の高い美容オタクの皆さんと一緒になって、XやInstagram、YouTube、TikTokといったSNS上で仕掛け、より広いユーザー層へと拡げていくイメージですね。「SNSで商品を認知し、@cosmeやそのままSNS上で実際のクチコミを確認して、自分に合うのかや購入を検討する」というユーザー行動も一般的になってきていることもあり、私たち2つのメディアは似ているように見えて実は強みを発揮する領域が明確に違うため、「両方使ったほうがよい」というのが正直なところです。

SNSから店頭、ECまでを一気通貫させる存在へ

─両社が提携するに至った経緯について教えて下さい。

田中:ここ10年の間に、多くのインターネットメディアが新たに生まれ、またSNSという情報を得るだけから双方向性の新しい顧客接点の選択肢も生まれました。それによって私たちも、自社メディアの「@cosme」に消費者を囲い込み、その場に広告を出稿していただく従来の手法だけではなく、より多くの顧客接点に応えられる成長を遂げていかなければならないと感じていました。そんな課題感を感じるなかで昨年、私がサービス開発責任者に就任。様々な外部パートナーさんとお話をしてみることにしたんです。なかでも、トレンダーズさんと何かご一緒できたらいいなと考えていた矢先に、お声がけいただきました。

中谷:私も同じタイミングでSNS領域の知見やユーザーさんとの関係値を持っているものの、1社だけでやれることには限界があるとも感じていました。「MimiTV」が目指すのは、「もっと美容で楽しむ人を増やしたい」ということ。その実現のためにもぜひ組みたいと考えたのがアイスタイルさんでした。

─両社のコラボによって、ユーザーやメーカーにどんな新しい価値を提供できると思いますか。

中谷:何よりもまず、提携を発表するニュースリリースを出した際に、ユーザーさんが「何が起こるのかとても楽しみです!」と非常に喜んでくれたことが印象的でした。新しい広告施策に関してですが、最初のお取り組みとして3月に発表し、メーカー様からはご好評の声をいただいています。SNSから店頭・ECまでの施策導線や設計の連携が難しい場合、消費者はスムーズな情報収集ができなくなる。だからこそ、私たちの得意な領域を掛け合わせて一貫してお届けできるようになれば、消費者の皆さんやメーカーに喜んでいただけるのではないかな、と思います。

田中:業界構造的に、メーカーは「ブランド軸」で見ていく物差しと、その先に「流通企業軸」で見ていく物差し、更にそこから「チャネル軸」と、様々な指標と異なるミッションの中で施策を考案していかなければいけないという実情は我々はよく理解しているし、その中でブランドの施策を世の中に提供するにあたり一気通貫させることが難しいという悩みもよくご相談いただきます。そこでわれわれ2社が組むことで、メーカーにとっても消費者にとっても心地良いパートナーシップが組めるようなあり方をご提案していけたらと思います。そして最終的には、両社の取り組みを通じて得られた示唆から、メーカー側が消費者の皆様が手に取る商品に対して、変化を加えていけるような取り組みにまで発展させることができたらよいなと思っています。

─今後の展望は。

中谷:今回のコラボレーションを日本の美容業界を牽引するようなプロジェクトに成長させていきたいと思っています。アイスタイルさんは既に美容業界でトップの存在ですが、私たちが加わることでさらなるプラスの変化が起きることに期待しています。日本の美容業界はこの先もまだまだ伸びていくはずなので、私たちが一緒になって時代をつくっていく、そんなコラボにできればと思っています。

田中:ユーザーの皆さんはきっと「より良いプロダクト」に出会いたいと思っているはずですし、メーカーの方たちは、「より多くのファン」や「ファンになってくれるかもしれない人々」に出会いたいと思っているはず。双方に対して、この部分をいかに心地よいものとして提供できるかが、今後の私たちのあり方や介在価値を定義していくと感じています。メーカーの方々からは広告プロモーションばかりではなく、業界特有の構造への配慮も期待されているはずです。同時にユーザーに対しては、2社のコラボならではの意外性に富んだコンテンツを提供していく必要があります。両社が提携したことで、そうした部分にさらに磨きをかけていけたらと考えています。

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お問い合わせ
トレンダーズ株式会社「MimiTV」
MAIL:info@mimitv.co.jp




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