N=1の意見を捉え理解し「応援したい」と思われる店舗を
折込チラシを中心に現在ではオフラインのSP媒体のみならず、Web広告やSNS運用などデジタル媒体まで一気通貫でサポートをしている城北宣広。これらの事業を支えているのが、「マーケティングソリューションチーム」だ。生活者に、クライアントである小売店を利用し続けてほしいという想いを持ち、2017年頃からは売場改善や販促物制作、マーケティング資料の制作を商品化し、その活動の範囲を拡張してきた。
山内氏は「買い物客は多くの場合、良いことも悪いことも直接店舗に伝えることはありません。買い手と売り手のギャップ、そして世の中の変化を捉えて、買い物にまつわる様々なコミュニケーションをつなぐのが私たちの役割です」と話す。
同チームが強みとするのは徹底した現場主義。商圏内のターゲットとなる生活者や統計データなどの情報、店舗の売上情報を基盤に、売場や街を実際に視察し、いち生活者目線で売場や価格の提言を行う。
年間の視察店舗が1000件を越える高野橋氏は「N=1の意見は現場でのリアルな言動に現れます。実際に足を運んで、その人の生活や考え方が分かるまで定量・定性調査を実施。その地域に住む人になりきって、どんな店舗であれば利用し続けたくなるかを考え抜きます」と話す。
「私たちはこれまでの生活者理解をベースに最新データも統合し、生活者の最新動向を分析する基盤を持っていますが、パッケージ型のソリューションがあるわけではないです。そのため、生活者の買い物行動にまつわるテーマであれば、何が課題かがまだ明確ではない場合にも相談に応えることができます」と山内氏。
例えば小売店舗ランキング「キングオブ店舗」(右ページ参照)では、これまでに取引のなかったメーカーからの反響が大きかったという。「今後、横山を中心に独自開発した売上予測のサービスを始め、エリアと掛け合わせた施策など、メーカーにとっても活用しやすい情報を提供していきたいです」(山内氏)。
「48時間 徹底視察」
大手ホームセンター関西初出店の際、プレオープンとグランドオープン期間に、4人で計48時間をかけて店舗を徹底視察。自身もいち来店客になりきり店員と会話をしながら商品を選び、また実際の来店客をプロの視点で観察して、新店舗の評価、感想、生活者のリアルな言動を分析した。「元々媒体制作で支援をしてきたなかで、“こんなこともやれますよ”と提案して始まったプロジェクトです。『同店舗が掲げる強み』『関西の生活者にとってのホームセンター』『実際の店舗利用者が感じたこと』をまとめて、それぞれのギャップを分析。“ここまでやってくれるのか”と驚かれ、以降のマーケティング領域の取り組みにもつながりました」(三浦氏)。
CASE2
「プロジェクトZ」
イオンリテール近畿カンパニーとの取り組み。若年層の店舗利用が少ないという課題を解決するため、イオンや競合店舗の視察と座談会から得たニーズを照合し、若者に対して本来訴求すべき商品の選定、売場テーマの提案、販促物制作に取り組んだ。プロジェクトでは高野橋氏と、Z世代のひとりである藤巻氏が中心となり、同社と協力会社などの20代メンバー約10名での座談会を7回実施した。
夏のコスメ売場の改善に焦点を当てた回では「夏に外に出たくない!」というZ世代のリアルな声を捉え 、商品の選定と棚割りの検討、ビジュアル・販促物の制作を行った。
当社としてもZ世代の取り込みは大きなテーマのひとつであり、現在も引き続き取り組みを続けることになった好事例となりました。
(近畿カンパニー デジタル・営業推進部 部長 植田氏)
CASE3
「キングオブ店舗」
2024年1月に発表した小売企業の業種別人気店舗ランキング「キングオブ店舗」では、『実際に利用している店舗』『推している店舗』『どうしてその店舗が好きなのか』を明らかにし、ランキングとして可視化した。元々小売各社の違いを明らかにすることが目的だったが、従来取引のあった小売だけでなく、メーカーからの反応が予想以上に大きかったという。
「大規模調査をするにはコストがかかり、POSデータだけでは見えない情報もある。店舗やエリアごとにどんな特徴を出していくべきなのか、今後はメーカーに対しても有益な情報を提供できると考えています」(藤巻氏)。
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