では、どのような人を採用したらいいのか?
前述のとおり、会社のフェーズや社内/チームから期待される広報の役割によって求める人材像が変わってくるので、一律の正解があるわけではありません。
そもそも、広報業務を首尾よく円滑に回してくれる人が欲しいのか、広報起点で経営や事業に大きなインパクトを創出してくれる人が欲しいのか、その目線感によっても要件は変わってくるでしょう。
一方で、過去に私が協働してきた方たちのうち、年齢や広報スキル・経験の有無を問わず、活躍している方の行動特性はあります。
それはズバリ「自走力」があることです。私の考える「自走力」とは、すなわち以下のようなことです。
- ・細かく指示を受けなくても自ら課題や目的をセットし、仮説検証型で動ける
- ・社内外の様々なステークホルダーと適切に合意形成をしながら業務を推進できる
- ・知的好奇心が強く、新たに学ぼうとする気概がある。自ら情報を取りに行く
- ・フィードバック耐性があり、自分がよくわからないと思うこと、得意でないことからも逃げない
- ・過去の経験の延長ではなく、そもそもの目的や「あるべき姿」からフラットに物事を考えることができる。思考の柔軟性
これはもしかしたら職種関係なく、すべてのビジネスパーソンに必要な行動特性かもしれません。極論、広報のテクニカルなスキルは後からいくらでも学ぶことができますが、上記のような行動特性は日ごろから意識していないと身につくものではありません。
これまで私が選考の際にもっとも重視していたのは、この「自走力」でした。
チームリソースを補完するための採用というよりも、将来的にリーダーシップを担うポテンシャルがある「強い人材」を採用し、広報起点で経営や事業に大きなインパクトを創出する「強いチーム」をつくりたいと考えていたので、広報スキル・経験の有無や成果実績の大小にかかわらず、上記に掲げたような「自走力があるか」を意識的に見るようにしていました。