広報の仕事に必要な「自走力」を知るための質問
具体的には、選考時の面談で以下のような質問をして、「自分の言葉」で成果を語れるかを重視していました。
- ・これまで業務上どういうチャレンジがあったか
- ・このチャレンジの背景に、「あなたが」どういう課題認識を持ち、どのような役割を担い、どんな創意工夫・アプローチを行ったのか
- ・その結果としてどういう成果を実現したか
「広報の力で売上XX億円達成しました」「社会現象化することに成功しました」など、具体的な成果をアピールする方は多いと思うのですが、深掘りして上記のような質問をすると、実は「広告・マーケティング部門が全体のコミュニケーション戦略を主導していて、広報は一部手伝っていただけだった」「(外資系企業の場合)日本支社ではローカライズだけやっていた」といったケースが少なくなかったりします。
あるいは、「この会社/事業の世間的な注目度や影響度を鑑みれば、普通に業務を遂行していれば得られる成果ではないか?」と思うこともあります。
別に新聞の一面に載るような大きな成果でなくても構わないのです。面接をする側が一番聞きたいのは、そこに担当者(自分)が介在したことにより、どれくらいの差分(付加価値)を生み出したか、です。
小さな成果でも構わないので、自ら課題を発掘し、課題に対する戦略やアプローチ方針を考え、他部署や経営も巻き込み、成果実現まで至ったストーリーを「借り物の言葉」ではなく、「自分の言葉」で語れる人は、自律的に考えて動ける能力や行動特性を持っている(=自走力がある)ので、違う環境に置かれても活躍してくれる再現性が高いと思います。
今後の採用にあたり、一つの参考にしていただければ幸いです。次回コラムをお楽しみに。
【矢嶋さんが講師を務める「広報リーダー養成講座」が開講】
広報部は成果の数値化が難しい部署であり、広報リーダーには成果の説明能力が求められます。企業の方針を読み取り、広報としてのミッションを明確にし、それらを「広報業務」へと展開できる広報力を「事業会社の実例」から学べます。 詳細はこちら。
※このコラムで取り上げてほしいテーマ、筆者である矢嶋さんへの質問などを募集しています。入力フォームはこちらから