2018年5月に九州で先行販売を開始した日本コカ・コーラの「檸檬堂」。累計販売約2000万缶の大ヒットを記録している同製品は、発売当時どのようにして売り場提案を行っていたのか。これまでの試行錯誤と発売から6年経ったこれからの戦略について、「檸檬堂」シニアブランドマネージャーを務める東條 渚氏に話を聞いた。
コカ・コーラ初のアルコール飲料として発売された「檸檬堂」。今や、レモンサワーの定番ブランドとして定着しつつある。2018年の発売当時、レモンサワー専門ブランドという切り口が話題を生んだ同製品は、どのようにして生まれて、どのような売り場提案を行っていたのだろうか。
「2018年は飲料市場全体を見渡すと、我々が事業を手掛けていない新規領域がまだまだありました。『檸檬堂』はそうした新規領域において、新たなビジネス成長の機会を探るチャレンジの1つとして開発・販売した商品です。
当時、レモンフレーバーを中心とした缶チューハイ市場は伸長しており、日本コカ・コーラとしても、これまで清涼飲料ビジネスで培った炭酸飲料・果汁飲料の技術や、マーケティングのノウハウを活用することで、一定の市場獲得が見込めると考えていました。そこで開発したのが『おいしさにこだわったレモンサワー』です」と話すのは、「檸檬堂」シニアブランドマネージャーの東條 渚氏。
レモンサワーといえば飲食店での定番メニューであり、居酒屋文化の1つとしても定着している。さらに日本コカ・コーラの当時の調査によると、レモンフレーバーのチューハイ人気は居酒屋だけではなく、ふたを開けてそのまま飲める缶チューハイカテゴリーでも根強いことが判明。シェアの拡大も続いていることがわかったのだという。
ポップなパッケージで既存ブランドとの差別化を
大ヒットを記録した「檸檬堂」だが、発売当初はまだ誰にも知られていない「新興ブランド」だったはず。さらに、コカ・コーラとしては初めてのアルコールブランドということもあり、営業スタイルもこれまでとは違ったものになりそうだ。そういった中で流通の棚を獲得するために、どのような売り場提案を行ったのか。
「従来からあるチューハイにレモンの味を付けたものではなく、『檸檬堂』は丸ごとすりおろしたレモン果汁とお酒をあらかじめ馴染ませた『前割りレモン』を使ったレモンサワーであることをアピールしました。
また、『まるでお店で飲むような体験』へのこだわりを、それぞれアルコール度数が異なる3種類のフレーバーで表現しています。とにかく、既存のチューハイレモンフレーバーとは価格帯も違う、プレミアムな製品として提案することを意識しました……
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