「応援してくれる人の存在はビジネスにとって追い風」
ビジョン達成のためのインナーブランディング施策を多く打ち出してきた同社。その成果について能城氏は「プロダクトや運用に思想が反映される」「共感を軸にした協業の実現」「自社を応援してくれる人が増える」の3点を挙げる。特にビジョンを発信するようになってからは、共感を軸にした他社との協業が増えたという。最後に「掲げた旗に向かって挑戦することで、応援してくれる人が増えるのは、『Makuake』を使ってくださる実行者にも言えること。応援してくれる人の存在はビジネスにとって追い風となるものです。MVVを浸透させ、社内外に発信することで応援や共感が増えて協業につながり、やがてビジョンの実現にもつながっていくと考えています」と能城氏は言葉に力を込めていた。
エンゲージメント向上を求めて インターナルブランディングの役割
続いて登壇したのは株式会社産業編集センター・はたらくよろこび研究所の相山大輔氏だ。同社はインターナル・コミュニケーションに特化した制作・コンサルティング会社で、300社以上のクライアントをサポートしている。大手企業の社内報、社内イベント、社内表彰をはじめ、インターナルブランディングそのものをサポートするケースが増えているという。相山氏によると、コロナ禍で人々の働き方が変わったことで、社内のコミュニケーション変容に注目が集まっているそうだ。
社団法人日本経営協会「ビジネス・コミュニケーション実態調報告書」では社内広報について「組織活性化のために不可欠」と回答した企業が約9割、「業績向上のために不可欠」と回答した企業も約4割にのぼることがわかっている。
同社はクライアント166社を対象に独自調査を実施し「インターナル・コミュニケーションを重視するようになった理由」を集計している。その結果「エンゲージメント向上」と回答した企業が7割で、相山氏は「今の問い合わせでは、ほとんどの方が『エンゲージメント』という言葉を使う。課題感を感じるし、危惧しているのでは」と分析する。
「多くの企業にとって、今がコミュニケーションのターニングポイントに差しかかっていることが感じとれる。価値観が変わり、企業とステークホルダーの関係も大きく変わっている。コミュニケーションを見直さないといけない時期なのではないか。」と相山氏は語る。