一人暮らしを始めた子どもの健康を気にかける親が、朝食としてシリアルを仕送りできる取り組みをスタートした。カルビーはシリアル「フルグラ」を離れて暮らす大切な人へ無料で送れるキャンペーン「目覚める仕送り」を4月4日に開始。新生活で乱れがちな朝食習慣の改善につなげる狙いで、家族以外への贈り物としても利用してもらう考えだ。
同社が2024年2月22~26日に実施した「仕送りに関する意識調査」(全国18~69歳男女200人)によると、仕送りを始めるタイミングで最も多いのは、進学で実家を離れる時だということが判明した。仕送りする側が特に心配しているのは「健康面」。贈り物は「現金」が最多で、「お菓子類」「手作り以外の食品」が続く結果となった。
同月に実施した「朝食に対する意識調査」(回答数=1880人)では、一人暮らしをしている人の3人に1人が朝食を食べていないことも分かった。これらの結果から、カルビーは食物繊維や鉄分などの栄養が豊富な「フルグラ」を無料で仕送りできるキャンペーンを企画した。
「目覚める仕送り」では2つの施策を実施。「『離れて暮らす大切な人へ 目覚める仕送り』キャンペーン」では、特設Webサイトから応募した先着100人に「フルグラ」と仕送り梱包セットを提供する。「フルグラ」と自身で用意した贈り物をセットで無料配送できる。すでに応募が満枠になるほどの盛況ぶりで、同社は4月11日に抽選枠を100人分追加したほか、同社ECサイトで仕送りセットの販売も開始した。
「『頑張るあなたへ 目覚める仕送り』キャンペーン」では、フルグラ公式「X」上での抽選に当選した150人に「フルグラ」オリジナルセットを提供する。応募期間は4月21日まで。
キャンペーンに合わせて、4月3日に「フルグラ」公式Xでオリジナルムービー「母から娘へ目覚める仕送り」を公開。離れて暮らす母と娘のストーリーで、仕送りを通じて実家の朝の食卓の懐かしいやり取りや、母の優しさを思い出す内容となっている。
カルビーが制定した「いい朝食の日」の4月11日には、有明ガーデン(東京・江東)の会場で「目覚める仕送り」をその場で発送できるイベント「『目覚める仕送り』大梱包会」を開催。会場では「フルグラ」などのシリアル商品のほか、持参した品物とメッセージカードも無料で送ることができる。
「フルグラ」は1991年3月に「フルーツグラノーラ」として発売した。国内シリアルブランドでは売り上げ1位(2022年10月~2023年9月累計販売金額)。2021年には「最大のミューズリー・グラノーラブランド」(最新年間売り上げ)としてギネス世界記録に認定された。2023年2月に中身とパッケージを3年ぶりにリニューアルした。
コロナ禍では巣ごもりによる買いだめで売り上げが増加。2022年はコロナ特需の反動を受けたが、2023年はおいしさのアピールに特化した新CMや、有楽製菓の「ブラックサンダー」とのコラボなどが奏功して復調したという。
購入層は30~50代の主婦層がメインで、家庭の朝食として購入するシーンが多い。子どもが新生活で一人暮らしを始めた後も、仕送りを通じてフルグラを毎朝食べる習慣を継続してもらう狙いもある。手軽に栄養を摂れるフルグラは「タイパ」重視の若者のニーズにも合致するとみている。
マーケティング本部オーツ麦部の柳井秀政ブランドディレクターは「フルグラはこれまで朝食市場全体をけん引してきた。キャンペーンで朝食の欠食を防ぎ、市場活性化につなげたい」と意気込みを話した。無料配送はコストもかかるが「朝食習慣のきっかけをつくる」と施策の重要性を強調した。