「青と黄色のVポイント」がスタート 特定の経済圏を意識せず、CCCMKHD

世界1億店舗で日常的に使用できる強みを打ち出す

「Tポイント」を運営するCCCMKホールディングス(HD)と「Vポイント」を運営する三井住友カードは4月22日、両サービスを統合した共通ポイントサービス「青と黄色のVポイント」を開始した。ポイント市場では経済圏の囲い込み競争が激しさを増す中、新しい「Vポイント」は決済を通じて日常的に使える点が強みで、特定の経済圏やプラットフォームに縛られないとしている。従来のTポイントの有効ID数は約1億2800万で、年1回以上のポイント変動があり、複数のカードを使用する同一ユーザーを除いた「アクティブユーザー数」は約7000万ユーザー。キャンペーンなどを通じて今期中に8600万ユーザーを目指す考えだ。

特定の経済圏の確保ではなく、「どこでも使える」メリットを訴求したいと話す撫養氏

従来のTポイントのように提携先の店頭でカードやアプリを提示して貯める「ショッピングポイント」と、Visa加盟店で三井住友カードを使用することで貯める「決済ポイント」を「Vポイント」として利用可能(1ポイント=1円)。両サービスと提携している店舗で購入すると二重にポイントを受け取ることができる。ショッピングポイントの提携先は約15万5000店舗、決済ポイントが使えるVisa加盟店は日本に約750万店舗、世界に約1億店舗存在する。会員数はTポイント約1億2800万人とVポイント約2600万人を合わせた約1億5400万人となる。

統合の背景には日本の共通ポイント市場の拡大がある。キャッシュレス決済が普及したこともあり、2027年には1.6兆円の市場規模を見込んでいる。円安や物価高騰による生活圧迫により、ポイントを有効活用する「ポイ活」も注目を集めている。2022年のNRIのアンケート調査では貯めているポイントとして「Tポイント」が最も多かった。

2003年10月からスタートしたTポイントは、特定の経済圏に縛られない共通ポイントとして賛同企業と一緒に成長してきた。ポイントを楽しむことが日常的になり、CCCMKHD取締役の撫養宏紀氏は「時代の変わり目を感じている」とコメント。日常的な決済サービスと一緒に使えることが重要になったとしており、今回の統合によって加盟企業に提供できる価値がより高まったと話した。

競合の共通ポイントサービスに関して、撫養氏は「日本で共通ポイント市場が盛り上がることは良いことだと捉えている」と強調。どこでも利用できることを強みとしてきたTカードやSMBCグループのサービスのコンセプトを引き継ぎ、特定の経済圏の確保は意識せず「日常の中でどこでも貯めて使えるサービスを目指す」と意気込みを語った。

現状ではショッピングポイントと決済ポイントを片方しか使用できない企業もあるが、今後は両方との提携企業を増やしたいとしている。様々な場所で使用できる特長から「より貯まりやすい店舗やサービスが利用されやすくなる」とみており、両ポイントとの提携が集客に利用できることをアピールする考えだ。

「Tポイントアプリ」は「Vポイントアプリ」にリニューアル

新サービス開始に合わせて、「Tポイントアプリ」は「Vポイントアプリ」に、三井住友カードが提供するアプリ「Vポイント」は「VポイントPayアプリ」にリニューアル。新しい「Vポイントアプリ」はこれまで通りポイントを貯めて使えるアプリとして利用できる。「VポイントPayアプリ」も従来と同じように利用できるほか、モバイルVカードを表示可能となり、提携先でポイントを貯めることが可能になる。

「V会員番号」とSMBCグループ各社サービスのIDを連携することで、簡単にポイントを合算可能。貯めたVポイントは「VポイントPayアプリ」を活用することで、Visa加盟店でも使用できる。

ロゴとデザインはこれまでのTポイントを想起させつつ、生まれ変わったことをアピールするため名称を「青と黄色のVポイント」とした。Tポイントは高齢者を含めた幅広い年齢層に利用されており、既存客が安心して継続利用できるようにしたという。

4月22日~6月30日まで「ぶいぶい誕生祭」として6つのキャンペーンを開催。「Vポイントアプリ」で最大100万ポイントが当たるガチャを毎日実施するほか、ID連携で最大10万ポイントが当たる施策や、モバイルVカードとスマホのタッチ決済の利用で10%還元を行う取り組みなどを展開する。

4月22日からVポイント提携企業としてゼンショーホールディングスや丸善ジュンク堂書店などが加盟。今後、紀伊國屋書店や上新電機などが加盟する予定だ。

当日開催したサービス説明会では、共通ポイントの専門家として知られる菊地崇仁氏と「時短節約家」として注目を集めるインフルエンサー「くぅちゃん(中野 めぐみ)」氏が登壇。現在のポイント市場について解説するトークセッションを実施した。菊地氏は「Amazonとドコモの提携や、KDDIによるローソンへのTOBなど様々なニュースをきっかけにポイントが注目されている」「円安や物価高によって、よりお得にポイント活用することで、生活を防衛する傾向が高まっている」と指摘した。

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