メディア取材を増やす広報企画10の原則、上手い広報が実践しているコツ

広報の全体戦略にもとづき、メディア露出を狙う施策を考えるにあたっては、そもそもメディアが「取り上げたくなる」原則を押さえておくと、企画が立てやすくなります。『成果を出す広報企画のつくり方』の著者片岡英彦氏にテレビディレクターに「取材したい」と想われるためのコツを聞きました。
※本稿は、新年度応援企画として、「広報会議」2023年4月号に掲載した内容を再掲しています

メディアからの取材を増やすために、最低限クリアしたいこと

グラフィック リスト メディアが取材したくなる情報

メディアに対して、企業関連の情報を持ち込む際には、いきなり自社の長所や商品の機能を伝えるのではなく、自分たちの情報が「社会的に意味がある」ことをしっかりと示していきます。報道や情報番組内で、企業の宣伝が行われることはまずありません。メディアが、取材する内容を決める時に最優先するのは「なぜ、今その話題を取り上げる必要があるのか」です。

そのため❶「社会課題の解決」と関連した情報ならば、扱いやすくなります。例えば、「自社のアプリのこんな新機能ができました」と紹介するのではなく、「今、働き方改革関連の法改正への対応が話題となっていますが、このアプリを活用することで無駄な残業が減っています」とアプローチしたほうが、関心を寄せてもらいやすくなります。

❷視聴者にとってお得・不便の解消となる「役立つ」情報や、❸「日本初」といった新しい情報も、メディアが取り上げる理由になります。ただし「初」「一番」といった情報を出すときには、客観的な裏付けを添えることを忘れずに。

またメディアは、常に「旬な情報」を探しています。❹「季節感」のある話題や、❺「今の時代」を感じられる内容は、積極的に出していきます。

加えて、視聴者からの関心を幅広く引く切り口として、新旧対決などの❻「対立軸・ライバル感」があるものや❼「異色のコラボ」といったものがあります。また❽「大きいもの、動くもの、色鮮やかなもの」は、映像映え、写真映えがするので、扱いやすくなります。試乗体験など、取材側がその場でトライできるものがあると、画にもなりやすく重宝されます。広報においてはこうした視点が盛り込めるか、見直しておきましょう。

図 広報のアプローチ Before/After

継続的にメディア取材が来る広報のポイント

グラフィック メディア側が助かる対応

メディア制作の現場は、とにかく忙しいものです。日々の放送、掲載にあわせて取材をこなさなくてはなりません。ですから、制作側を手助けするような広報対応は、次なる取材を呼び込むきっかけになります。

特定のメディアに情報を持ち込む場合には、単にプレスリリースを渡すだけではなく、❾その媒体の編集方針や視聴者層に沿った内容を提案します。例えば、特定のコーナーの担当者に会うならば、その内容を熟知し、コーナーに適した情報や、事前に用意できる映像、コメントが可能な担当者などをイメージして提案するとよいでしょう。

広報からのアプローチで、取材しやすい企業だ、と印象づけることもできます。メディアからすると、例えば、同じ取材依頼を行っても、リアクションが早い企業のほうが取材先として好まれます。そして、色々な条件や交渉ごとが次々に生じる企業よりも、スムーズに取材ができる企業のほうが、当然選ばれやすくなります。他の条件が同じならば❿「コミュニケーションコスト」が低い広報対応の企業が選ばれ続けるということです。

広報担当者は協力的でも、取材を受ける現場の担当者が協力的でないというケースもあります。その場合は、広報担当者が現場との調整役として間に入り、安心して取材に臨めるようにすると、メディアとの信頼関係を築きやすくなります。

 

「メディア取材を増やすコツ」についてさらに知りたい方は、書籍『成果を出す広報企画のつくり方』(片岡英彦著)をご覧ください。

本稿で紹介した広報のアプローチBefore/Afterの事例を、多数紹介している本書。メディアアプローチのほか、オウンドメディアを使った広報企画、インターナルコミュニケーションの企画など、いま組織にとって欠かせない広報活動の立案ポイントを解説。広報企画立てられるようになる1冊です。

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書影 成果を出す広報企画のつくり方


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