東芝データと東芝テックは電子レシートサービス「スマートレシート」を通じ、2023年度は年間約5600万枚、約8960kmの長さ分の紙レシートを削減したと発表した。
東芝テックが開発・運営し、東芝データが運営を支援する「スマートレシート」。店舗での会計時に紙で提供されている購入商品の明細レシートを、電子化するサービスだ。
2023年度に「スマートレシート」で発行された電子レシートの枚数の概算は、約5600万枚。紙レシート1枚の平均の長さ(16cm)を踏まえると、1年間で削減された紙レシートの全長は約8960kmとなる。この距離は、日本の最北端である北海道稚内市からフランス・パリまでの距離(約8815km)に相当するという。
また削減した紙レシートをコスト換算すると、1年間の紙レシートロールの削減金額は約5689万円となった。紙レシートロール1個の平均価格(400円)をかけて試算した。
さらに、年間に削減した紙レシートロールの交換時間は約395時間だという。同数値は、年間換算したレシートロール14万2222個をもとに紙レシートロール1個の交換にかける平均時間を10秒とした数値だ。
日本国内では、働き方の変化や環境配慮の観点からペーパーレス化の重要性が年々高まっており、人手不足や生産性向上、インバウンド消費の拡大などを受けて小売業を中心にキャッシュレス化も進む。紙レシートを受け取る人は少なくなっているが、会計時のレシートは依然として多くの店舗が紙で発行しており、店内での不要な紙レシートの廃棄量が増加。小売業の各店舗では紙レシートの発行・管理にかかるコストに加え、紙レシートの廃棄コストも増え、負担が大きくなっているという。
そこで東芝データと東芝テックは、店舗へ向け「スマートレシート」の導入を通じて、加盟店の紙レシートの発行コストや環境負荷の削減、生活者の購買時の利便性の向上を図っている。生活者はアプリをダウンロードすることで、データ上でレシートの履歴を確認でき、会員数は現在190万人を突破している。