「脳トレ」でドライバーの健康増進、損害保険ジャパン 「運転脳トレ」のNeUと提携

損害保険ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは4月1日、「運転脳トレ」を開発する「NeU」と業務提携した。損害保険ジャパンの顧客である運転事業者に、SOMPOリスクマネジメントのサービスメニューとして「運転脳トレ」を提供。職業ドライバーの「安全運転寿命」の伸長を目指す。認知機能の衰えによる重大事故を防止することで、事業者の経営を守る狙いもある。4月からドライバーの時間外労働の規制が適用されるなど「2024年問題」が本格化する中、同社は損害保険だけでの課題解決は不可能で、今回のような最先端技術やサービスを持つ企業との共創が欠かせないとしている。

運転脳トレと組み合わせて活用する「脳活動センサー」

人手不足と高齢化が進んでいる自動車運送業界では、ドライバーの認知機能低下が原因の重大事故が発生している。認知機能の維持・向上には、脳の前頭前野の活動を活発化させる適切な脳のトレーニングが効果的。「運転脳トレ」により情報処理・反応速度など認知機能を鍛えることで、運転時の急加速・急減速の頻度が低下したという検証結果もあり、安全運転の促進や事故の防止、エコドライブの実践に役立つと期待している。

全国の営業担当者が、提案対象の運送事業者にNeUのソリューションについて情報を提供。顧客にニーズがある場合、NeUの代理店となっているSOMPOリスクマネジメントに紹介することでサービスを提供する。

全ての自動車運送事業者にニーズがあると考えている。全国に約2万3千社あるバス・タクシーなど旅客運送事業者は、65歳以上の高齢就業者の割合が全産業平均の2.5倍(33%)となっているため、導入効果や需要は特に高いとみている。

「運転脳トレ」は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授の認知脳科学の知見と、日立製作所グループの日立ハイテクの「携帯型脳活動計測技術」を組み合わせたソリューション。職業ドライバーの業務前点呼時や休憩時間などに3種類のゲームを合計5分程度実施することで、「頭の回転」「注意力」「予測力」など運転に関する認知機能を鍛えることが可能。通常はスマートフォン専用アプリケーションで実施するが、「脳活動センサー」で脳の活動状況を可視化しながら実施するトレーニングも用意している。脳トレの効果や毎月の認知機能の推移も確認することができる。

今後、「運転脳トレ」による事故削減効果の分析や、損害保険ジャパンが法人向けに提供しているドライブレコーダーなどから取得する走行データとの相関分析などを実施する。3社がノウハウを持ち寄って、より効果的なサービス展開に繋げる考えで、将来的には個人向けのサービス展開も検討する。

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