3日で2500万本を突破した新生茶 差別化が難しい緑茶市場での戦略、キリンビバレッジ

キリンビバレッジの「キリン 生茶」は4月9日のリニューアル発売から3日間で販売数量が2500万本を突破した。同ブランドにおいてトップクラスの立ち上がりで推移している。緑茶そのものへの関心を高める取り組みや、「生活になじむ」といった新しい観点での訴求が奏功。同日リニューアルした「キリン 生茶ほうじ煎茶」も、前年販売実績の約1.6倍に伸長している。

ペットボトル緑茶市場は価格や味の差別化が難しくなったことでコモディティ化が進んでおり、2023年の無糖茶カテゴリーの販売数量は前年比98.9%、緑茶カテゴリーも前年比98.4%と厳しい状況が続く。

写真 商品 4月2日にリニューアル発売した「キリン 生茶」と「キリン 生茶ほうじ煎茶」
4月2日にリニューアル発売した「キリン 生茶」と「キリン 生茶ほうじ煎茶」

そこで同社は中身やパッケージの大幅刷新だけでなく、緑茶への興味関心を高めるための施策を推進。普段緑茶を飲まない層に興味をもってもらうため、「キリン 生茶」であることを伏せながら「緑茶」を提供する「GOOD GREEN TEA STAND」を4月2日にZeroBase表参道(東京・港区)で実施。7日までに4430人の顧客が来場し、来場者アンケートでは「緑茶に対して印象が変わった」(89%)、「また飲みたい」(97%)といった回答が多かった。発売後には生産部など工場や本社の社員も店頭に出るなど、総力を挙げて店頭活動に取り組んだ。

「生茶葉鮮度搾り製法」や「かぶせ茶マイクロ粉砕」、新製法の「凍結あまみ製法」を採用。苦渋みを抑え、新茶のような“あまみ”が際立つ味わいに仕上げた。同社の広報担当者はSNS上の投稿を分析し「普段は緑茶をあまり飲んでいない人も、リニューアル後の生茶を飲んでいる」と手ごたえを強調。幅広い層への訴求が成功したとみている。「『緑茶飲料は今のお客さまにとってどういう存在になりえるのか』を軸に商品コンセプトを再考した」としており、中味のおいしさだけでなく「生活になじむ」「気分を上向きにできる」といった価値に着目したという。

パッケージも一新し、白ベースのカラーリングに、商品ロゴをあえて小さく表示。おいしさが詰まっていることを伝える「雫マーク」を目立つように配置した。同社の調べでは91%の顧客が「おしゃれで洗練されている」「持ち歩きたくなる」と評価しているという。生活へのなじみやすさをコンセプトとしたデザインは同商品の強みとしている。

2024年は、フルリニューアルによるブランド力の強化に加え、23年9月に発売した「生茶リッチ」の継続育成を通じて、「キリン 生茶」ブランドを盛り上げていく方針だ。

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