花王のヘアケアブランド「メリット」が4月1日に公開した新広告シリーズ「家族と愛とメリット」が話題だ。
自転車に乗る練習をする娘と、それを後ろから走りながら押して手伝う父の姿を描く。娘は転びながらも精一杯練習を続け、いつの間にか一人でも乗れるように。後ろを振り返らずに自由に漕ぎ出す娘を、父は後ろから、笑顔で手を振りながら見送る。
全体がアニメーションで構成されており、イラストレーターのニシワキタダシ氏がイラストを手がけた。楽曲はエレファントカシマシの『今宵の月のように』を子どものような声でカバーした曲が起用されている。
CMのクリエイティブディレクション、企画、コピーを担当したのは、電通 zeroの栗田雅俊氏。企画の背景について次のように説明する。
「メリットは“家族のためのシャンプー”として50年以上、家族を想い続け、家族みんなで使えるやさしさを提供し続けてきました。けれど近年はそのことをあまりお伝えしていませんでした。今回、改めて原点に立ち返り、家族を大切にする想いを真ん中に据えた企画を進めました」(栗田氏)。
描くべき家族の想いを考え、花王と打ち合わせを重ねていく中で、「子どもの成長はうれしいけれど、ちょっと切ない」という今回のテーマが決まった。具体的なストーリーは、アートディレクターの関戸貴美子氏が提案したビジュアルを見ながら、チーム一同で個人的な思い出を話し合い、それらを織り込みながらつくっていった。
これまで「メリット」のCMといえば、実写で親子像を描くものが印象的であったが、今回はなぜ、アニメーションやイラストという手法を用いたのか。
「家族のCMというとクオリティの高いドラマ映像、情緒的なBGMなどでつくられた名作が多いので、それらと似ないように、逆を行く意識で生まれました。シンプルなアニメ、子どもの歌、といった具合に。メリットのCMとしてもちょっと新しい印象になったらいいなと。また、大事なシャンプーシーンを真正面から描くことができるのもシンプルなイラストの利点かなと思いました」(栗田氏)。
またテレビCMではナレーションはないが、4月21日までJR東日本の主要路線などで掲出された車内ポスターでは、親の想いがより詳しく描かれている。
この記事を読んだ方におススメの記事
タイアップ
-
オン・ザ・デスク・インターナショナル
「広報クリエイティブ」の専門家集団がつくる 高クオリティ広報誌の訴求力
-
TikTok for Business Japan
花王のヘアケア事業が躍進 変革における市場戦略とTikTok重視の背景
-
メタバース プロダクション
大型LEDで絶景の夕陽を再現 ロケや合成撮影に代わる新撮影手法/メタバース プロダクション
-
アドベリフィケーション推進協議会
生成AIの浸透で増殖するMFAサイト 最先端のアドベリフィケーションとは?(後篇)