近くに店舗がない人のニーズに対応
日本トイザらスは同社初となるベビー用品のデリバリーを4月24日に開始した。Wolt Japanが展開するデリバリーサービス「Wolt」を東京、大坂、札幌の3店舗で導入。同社のECサイトと異なり、約30分で商品を届けることができる速達性が強み。ミルクやおむつなどが急に必要になった際、自宅にいながらすぐに手に入れることが可能になる。既存客の利便性向上だけでなく、これまで近くに店舗が存在せずに利用する機会がなかった新規客の獲得につなげたい考えだ。
導入したのは「トイザらス・ベビーザらス 池袋サンシャインシティ店」(東京都豊島区)、「トイザらス・ベビーザらス なんばパークス店」(大阪府大阪市)、「トイザらス・ベビーザらス 札幌店」(北海道札幌市)の3店舗。おむつやおしりふき、粉ミルク、ベビーフード、哺乳瓶、ベビーソープなど、ベビー用品約1600アイテムをライナップした。「Wolt」の専用アプリまたはウェブサイトから注文できる。
おむつやミルクなど重量のある商品は持ち帰りの負担も大きく、デリバリーの需要が高い。一方、今すぐ必要になるケースが多く、ECでの注文では時間がかかるため、すぐ届くサービスのニーズは高いとみている。「Wolt」は食品のほか、ベビー用品も取り扱っている実績があり、子育て世代の利用客が多いことから導入を決定。同社初の試みで、反響を踏まえて導入店の拡大や「トイザらス」での導入などを検討していく。
同社はベビー用品を扱う「ベビーザらス」をマタニティ客に利用してもらい、子どもが成長した際におもちゃを扱う「トイザらス」の顧客になってもらう戦略を立てている。現在の国内店舗数は151店舗。おもちゃ市場は家電量販店やECサイトなどの競合が増えたことで競争は激しくなっており、同社の2022年12月期の売上高は約969億円で前年同期2.4%減だった。少子化の影響もあるが、広報担当によると、1人あたりにかける金額は増えているという。「Wolt」の導入など、購入手段を多様化することで顧客を増やしていきたい考えだ。