「認知獲得」「販促」の両方使えるリテールメディア特性がメーカーの混乱を招く

「TSUBAKI」や「uno」「シーブリーズ」などを展開するファイントゥデイでは、リテールメディアの活用を2017年から進めている。国内でリテールメディアという言葉が盛り上がり始めたのがコロナ禍だったことを考えると、比較的早い段階から広告出稿を開始していることになる。なぜ、同社はリテールメディアの活用を続けるのか
※本記事は5月1日発売の月刊『販促会議』6月号で全文をお読みいただけます。

ファイントゥデイ
日本事業本部 ブランドマーケティング部 ヴァイスプレジデント
益川竜介氏

「チラシに代わる」メディアを求めていた

ファイントゥデイ 日本事業部でヴァイスプレジデントを務める益川竜介氏によると、最初にリテールメディアに出稿したきっかけは「顧客との接点不足」だったという。チラシの効果がだんだんと薄れるなかで、生活者が購買を検討するうえでチラシの代わりになり得るメディアを求めていた。

「当社がリテールメディアに感じた価値は“接点”です。店頭であれ、アプリであれ、流通が持っているお客さまとの接点に可能性を見出し、リテールメディアの活用を始めました。流通が持つお客さまにアプローチしようと思ったら、これまではチラシやPOP、店内 放送といったアナログなものはありましたが、オンライン・オフライン問わず売り場に入り込んで配信できる広告メディアは存在していなかったですよね。私たちメーカーがこれまでリーチできなかった接点を持てることが、リテールメディア最大の魅力だと思います」(益川氏)。

リテールメディア活用歴が比較的長い益川氏によると、流通各社からファイントゥデイに伝えられる “リテールメディアの価値”は、「顧客の顔が見える」こと。つまり、POSやID-POS、アプリなどで取得できるデータによって、メーカーがこれまで知り得なかった顧客の姿が見えるようになることを、リテールメディアの魅力として語られることが多いという。

しかし、媒体社である流通にとってはメーカーに「試してみよう」と思ってもらうことが肝心だ。そこで重要なのが、益川氏が先述した「接点」の存在。広告における最大の役割が認知獲得だと仮定すると、メーカーが出稿を決めるうえで検討材料となるのは「接点を強化できるか否か」。つまり、どんな人に見られ、どれだけの人に見られるかということだ。

「マーケティングファネルで言う『購買』の周辺に広告が打てることは画期的です。今までは認知から購買までを繋ぐジャーニーは推測でしか見られませんでしたが、その解像度を高められるようになったという面でも有意義なメディアだと思います。ですが、広告って何のために打つかと考えたときに、一番に出てくる目的は『認知』である場合が多いはずです。認知を獲得できた先でデータを取得できたり、購買に繋げられたらもちろん理想的ですが、リテールメディアを初めて活用する上で求められることは、やはり“接点”なのではないでしょうか。でも、この認知獲得にも販促施策にも使えるリテールメディアの特性が、広告主であるメーカーが混乱する要因のひとつになっているのです――

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