民間から移籍し校長になって1カ月、始業式の校長講話で生徒に教育方針を話す

今までの私の経験や今回の民間校長登用の目的などを再度確認し、4月8日の始業式に挑みます。特に意識したのは、自分にしか伝えられないことや、今までの経験を活かした内容をもとに生徒へのメッセージを出すこと。できるだけ、今起こっている社会問題や時事問題の実例を出しながら、校長講話をお話ししました。

まず始めに、私が花王時代に様々な先輩方や上司に教わったことを、学校生活に置き換えてお話ししました。花王はまだ日本が衛生環境も悪く、病気も多かった時代に、「清潔な生活ができれば世の中が良くなる、舶来品に負けない品質の良い石鹸を作ろう」という思いで、「清潔な国民は栄える」を社是に事業を始めました。

1890年に花王石鹸を発売して以来130年間、洗浄製品の開発と提供を通じて清浄文化の発展に貢献したいと考えて、「きれいにする行為は、空間・身体をリセットして新たな未来を迎えるきっかけになる」という日本における普遍的意識を確認しています。

この研究成果は「日本民俗学会第71回」(2019年10月12~13日、茨城県つくば市)にて発表していたので、つくば市に近い本校(下妻一)においても身近なこととして感じてもらえるだろうと思い、紹介しました。

この考えをもとに私が生徒に伝えたかったことを、以下の2点に落とし込みました。
1、自分の身の回りはきれい(KIREI)にしてください
(身だしなみ、制服、教室、机の中、ロッカーなど)
2、学校内を清潔に、かつきれいに使うことを心がけてください
「新たな未来を迎えるきっかけ作りをして行きましょう」という生徒たちへのメッセージです。


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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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