流動するクリエイター市場 視野が狭ければ可能性まで狭めてしまう

――どのような経緯で現職へ?

2018年にアサツー ディ・ケイ(当時)に、クリエイティブディレクターとして転職しました。1年半が過ぎた頃、コロナ禍になりました。ひとりでいる時間が増えて、それまでがむしゃらに走ってきたので、一度立ち止まって人生設計を考えてみたいと思うようになりました。

リモートでのコミュニケーションが普通になってくると、不思議なもので、昔のクリエイター仲間とよく連絡を取るようになったんです。中には事業会社の中核で働いている人もいて、仕事の話を聞いて驚きました。クリエイターって、そんなにビジネスに深く踏み込めるのか、いまはそんな需要があるのか、と。僕はずっとチャレンジしてきた自負もあった分、「広告業界という狭い世界のことしか知らなかったんだ」とがくぜんとしました。そうしたら、自分はクリエイターとして、アンバランスな筋肉の付き方をしているんじゃないかという気がしてきたんです。上半身はムキムキなのに下半身はガリガリ、みたいな。

それで、このままではいけない、広告という一側面ではなく、会社経営全体を知りたいと思いました。これまで多様なクリエイティブをカタチにしてきたことで、経験の「広さ」には自信がありました。一社の事業に深く入り込めば、「奥行き」が出せる。10年後も通用するクリエイターになるには、通るべき道なのではないかと思ったのです。


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荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)
荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

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