「令和のサワー」として市場定着を目指す
アサヒビールは5月14日、新カテゴリーの発泡酒「アサヒ ホップサワー」のテスト販売を開始する。ビールやチューハイとは異なる新しい種類の商品で、2009年頃にブームが起こった「ハイボール」のように、令和に新たな流行を巻き起こすことを目論む。これまでにない味で関心を集め、新規客の獲得にも期待を寄せる。1万7000ケース(1ケース=350ミリリットル缶24本)を販売予定で、8月頃までに完売すると予想している。
一般的にスピリッツと果汁を混ぜて製造する「チューハイ」と異なり、発酵させて製造。醸造酒ならではのすっきりとした味わいとホップのフルーティーな香りが楽しめる。顧客へのインタビューを重ねる中で、「ビールの重たさ」や「チューハイの甘さ」を指摘する声に着目し、より気軽に楽しめる酒を目指した。パッケージ中央に香りや味わいについて記載したほか、周囲にホップのイラストを描くことで、商品の特長を分かりやすく訴求している。
酒税改正によって新ジャンルや発泡酒からビールに移行するユーザーも増える一方、引き続き新ジャンルなどを好むユーザーも多いなど、酒類市場はニーズの多様化が顕著。本商品の主なターゲットは酒類愛好家で、新しいカテゴリーの開発で顧客の選択肢を増やし、幅広い需要に応える狙いだ。
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを傘下に持つ「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」が運営する酒類取扱店(約600店)のみで販売する。テストマーケティングのため、今回はチャネルを絞って訴求。ドン・キホーテを含む多様な業態の店舗で訴求でき、POSデータの取得と分析が容易な点を踏まえ、同社の店舗で販売するという。
新ブランド開発部の担当副部長の渡邊航太郎氏は「既存のビール・チューハイとは全く異なる新提案であり、『令和のサワー』として、市場定着を目指す」と意気込みを語った。
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