車内が映像に包まれる観光バス JR西、福井駅で運行開始

利用客10万人目指す

窓のほかにも、座席正面に向き合うディスプレーや、サンルーフのように天井部分に設置したディスプレーなど、乗客の没入感を高める作り。JR福井駅から県立恐竜博物館(勝山市)へ直行するコースでは、俳優の今井翼さんをナビゲーター役に陸海空の恐竜にバスが襲われるコンテンツを流す。往路と復路それぞれに異なる内容を用意した。

写真 「WOW RIDE いこっさ! 福井号」 天井ディスプレー
写真 「WOW RIDE いこっさ! 福井号」 車窓の実風景
写真 「WOW RIDE いこっさ! 福井号」 車窓の仮想現実風景
(写真上)「WOW RIDE いこっさ! 福井号」の天井ディスプレー。福井県立恐竜博物館の往路コンテンツでは、途中で恐竜に襲われるシーンがある/(同左下)車窓は全面ディスプレーだが、映像上映の途中で実際の走行中の景色も映し出される/(右下)空中や海中の景色が映るシーンもある。走行中のゆれも相まって、想定以上に没入感がある

運行ルートはほかに、JR福井駅から、一乗谷朝倉氏遺跡博物館(福井市)の往路・復路、JR福井駅から、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅(あわら市)と、同あわら湯のまち駅発着の6ルートがある。一乗谷朝倉氏遺跡博物館ルートは、講談師の一龍斎貞鏡さんが一乗谷の歴史ドラマを語る。あわら湯の町駅行きでは声優の細谷佳正さんによるラジオドラマ、同駅発着の周遊コースは空や海を走行するかのような映像コンテンツを流す。

写真 「WOW RIDE いこっさ! 福井号」に設置されたマイク
福井県立恐竜博物館の往路・復路では、生成AIを活用した対話コンテンツも実施。マイクを通じて福岡県ゆかりの登場人物と対話しているかのような体験ができる

これまでJR福井駅から各観光地への直行バスはなかったほか、それぞれが点在していて周遊しづらいという課題があった。現在県立恐竜博物館を訪れる人の9割が自動車を利用しているという。

ことし3月に北陸新幹線が金沢駅(石川県)から福井駅を通り、敦賀駅(福井県)まで延伸したのも追い風だ。バス車内で流すコンテンツは英語、中国語、韓国語にも対応する。JR西日本地域共生部課長で福井RIDEコーポレーション取締役の内山興氏は、「年間で10万人規模にご利用いただければ」と意気込む。

「WOW RIDE」は2022年2〜3月、8〜12月に東京都内で「WOW RIDE 東京タイムトリップ」として運行していた経緯がある。「〜東京タイムトリップ」はKNT-CTホールディングスとフジ・メディア・ホールディングス傘下の広告会社、クオラスの共同事業で、両社は「いこっさ! 福井号」にも参画している。

「WOW RIDE いこっさ! 福井号」の料金は、恐竜博物館の往路・復路は大人3300円〜、一乗谷の往路・復路、あわら温泉行き・周遊は大人2200円。小学生以下は半額となる。座席数は36席。6月1日〜9月30日は期間限定で、乗車券と県立恐竜博物館の常設展観覧券のセット販売も行う。

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