利用客10万人目指す
窓のほかにも、座席正面に向き合うディスプレーや、サンルーフのように天井部分に設置したディスプレーなど、乗客の没入感を高める作り。JR福井駅から県立恐竜博物館(勝山市)へ直行するコースでは、俳優の今井翼さんをナビゲーター役に陸海空の恐竜にバスが襲われるコンテンツを流す。往路と復路それぞれに異なる内容を用意した。
運行ルートはほかに、JR福井駅から、一乗谷朝倉氏遺跡博物館(福井市)の往路・復路、JR福井駅から、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅(あわら市)と、同あわら湯のまち駅発着の6ルートがある。一乗谷朝倉氏遺跡博物館ルートは、講談師の一龍斎貞鏡さんが一乗谷の歴史ドラマを語る。あわら湯の町駅行きでは声優の細谷佳正さんによるラジオドラマ、同駅発着の周遊コースは空や海を走行するかのような映像コンテンツを流す。
これまでJR福井駅から各観光地への直行バスはなかったほか、それぞれが点在していて周遊しづらいという課題があった。現在県立恐竜博物館を訪れる人の9割が自動車を利用しているという。
ことし3月に北陸新幹線が金沢駅(石川県)から福井駅を通り、敦賀駅(福井県)まで延伸したのも追い風だ。バス車内で流すコンテンツは英語、中国語、韓国語にも対応する。JR西日本地域共生部課長で福井RIDEコーポレーション取締役の内山興氏は、「年間で10万人規模にご利用いただければ」と意気込む。
「WOW RIDE」は2022年2〜3月、8〜12月に東京都内で「WOW RIDE 東京タイムトリップ」として運行していた経緯がある。「〜東京タイムトリップ」はKNT-CTホールディングスとフジ・メディア・ホールディングス傘下の広告会社、クオラスの共同事業で、両社は「いこっさ! 福井号」にも参画している。
「WOW RIDE いこっさ! 福井号」の料金は、恐竜博物館の往路・復路は大人3300円〜、一乗谷の往路・復路、あわら温泉行き・周遊は大人2200円。小学生以下は半額となる。座席数は36席。6月1日〜9月30日は期間限定で、乗車券と県立恐竜博物館の常設展観覧券のセット販売も行う。