月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部や誌面では掲載しきれなかった話をお届けします。今回登場するのは、「大手町の森」や「ののあおやま」などの開発も手掛けられている樹木学者の濱野周泰さんです。
濱野周泰さん
1953年東京生まれ。1976年東京農業大学農学部造園学科卒。1997年生物環境調節学において博士号取得。2019~2023年まで東京農業大学客員教授。樹木学者。樹木の利活用・分布・分類に関する研究を専門に、日本各地の緑化推進活動に尽力。近年は多目的施設の緑地スペース開発に多数参画。主な施設に「大手町の森」「川越氷川神社」「都立明治公園」等。
Q 濱野さんは森づくりをする際、どのようなことを意識していますか。
自然の中に身を置くと、人は五感が刺激され、潜在能力が目覚めることもあるのではないかと思います。例えば、アウトドアで食事をすると、同じ食べ物でも屋内で食べるより美味しく感じるという現象は、太陽の光やそよ風などといったソフトな刺激が加わることで起きているんじゃないかと思うんです。私が森を設計する時も、利用する人の感性に働きかけるような空間を目指しています。
Q 昨今のCMなど、広告に対して感じた変化はありますか。
以前は新しく開発した商業施設内をアピールする傾向があったと思います。どのフロアにどんなテナントが入っているとか、どんなスペースがあるとか。でも最近は、SDGsなどによる社会情勢の変化を受けて、その地域の歴史や文化、そして環境に配慮したものづくりを訴求することで、見る人の共感を得られるようなストーリー性のあるCMが増えてきたと感じます。
CMなど広告全般に対して思うのは、生活者の思考を左右させるメディアだということ。メディアで植え付けられた印象は強いインパクトとなって、国の将来さえも変える大きな力になり得ます。広告主と生活者の双方にとって有用性のある広告が好ましいですね
…濱野さんのインタビュー記事全文は、月刊『宣伝会議』2024年6月号 に掲載。
月刊『宣伝会議』デジタルマガジン では、2013年から本連載の過去10年分のバックナンバー記事を閲覧可能です。