ライオンズの強みと経営課題をまず把握する
選手たちを統括する球団本部は「ニュアンスの言語化」に取り組んでいました。
例えば、選手が好調な時の打席理論を具体的に話すことができれば、再現性に繋がります。そのため、選手たちが「今日の打席で何が良かったのか」「何が課題なのか」をコーチと共に振り返り、上手く言語化できるように、人材開発の専門組織が作られています。
これは一般社会でも非常に大事なことで、球団本部がやっていることは、抽象化して考えれば、ビジネスパーソンや、子を持つ親など、広く興味関心が高い分野だと感じました。
来場者チケットの担当者に話を聞くと、コロナ禍以前に比べ、ファンクラブ会員数は10%減で留まっているものの、実際に球場に足を運んでいただけたファンクラブ会員数(1回以上来場した方をユニークユーザーと定義)は30%も減っていたのです。
ファンクラブの年会費を支払っているのに、球場に来場いただけてない。コロナ禍をきっかけに、球場から足が遠のいてしまっていることがわかりました。
さらに、ファンクラブ会員のボリュームゾーンは、何度もリーグ優勝・日本一に輝いていた1980年~90年代のライオンズ黄金時代に幼少期だった40代後半で、そこから左肩下がりになっています。
それぞれの担当者の話を聞き、ライオンズの強みと経営課題がわかりました。最後に、社長と担当役員に、広報部に特に注力してほしいことを聞きました。
するとグループ会社の西武鉄道やプリンスホテルはコロナショックからまだ完全に抜け切れない状況だったこともあり、ライオンズは利益を残すために「マーケティング広報(営業広報)」に力を入れてほしいと言われました。