プロ野球はファンが最優先―経営企画視点のライオンズ流「シン・広報戦略」

広報部組織の理想と現状ギャップを「7S」で分析

これらを踏まえ、広報部の組織について望むべき状態と現状のギャップを、マッキンゼーの7Sで分析しました。この分析手法は、企業にある3つのハードな経営資源(戦略、組織、システム)と、4つのソフトな経営資源(価値観、スタイル、人材、スキル)をもとに、適切な組織改革と事業戦略を考えることができるフレームワークです。

それにより導き出され、初期的に着手したのは、以下の3点です。

※このあたりの戦略はすべてお話しできず申し訳ありません。かなり言えない部分がありますが、なるべく伝わるように書きます。

・業務の棚卸、取捨選択
・慣例で続く仕事の見直し
・安定性、効率性の追求

代表的な例をお伝えすると、メディアの方の受付対応に広報部員が張り付いていましたが、これをDXで無人化しました。

また、プロ野球事業は例年ほぼ同じサイクルですが、広報部には業務マニュアルがありませんでした。例えば、メディア向けに取材誘致をする際は、前年のメールを振り返って、それをコピペして送付していたため、誤植が頻繁に発生していました。

マニュアルがあれば、誰がやってもミスなく、滞りなくできるようになります。私は西武ホールディングス広報部時代に、部の全業務を半年でマニュアル化しました。形骸化にならぬよう継続して見直すサイクルを作り、現在もそのマニュアルは健在だそうです。

そうした経験もあり、仲間にも「こうすればできるよ」と話をして、マニュアル化してもらいました。さらに、プロジェクト管理ツールも導入し業務を見える化し、複数案件を抱えている部員がいたら、均等に振り分けるようにしました。こうして部員の仕事に余裕を作っていきました。

プロジェクト管理ツールのBacklogを使って業務を見える化した。提供:西武ライオンズ


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赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)
赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

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