保育施設に広がるサブスク 紙おむつ使い放題サービスの需要拡大、BABYJOB

保育園に通う園児の保護者は通常、登園時に園児が履き替えるおむつを毎日持参している。大量のおむつを購入するだけでなく、1枚1枚のおむつに名前を書く必要もあり、大きな負担となっている。保育施設の負担も課題で、履かせるおむつを間違えないように、名前を都度チェックするほか、保護者がおむつを忘れた際に貸し出しを行うケースも多い。同サービスを導入することで、施設に直接おむつが届くため、登園時の荷物を減らすことができ、保育施設も確認事項がサイズだけとなり負担軽減につながる。

同サービスを導入した181施設へのアンケート調査では89%が満足しているという。保護者の満足度も高く、利用者の解約忘れを防ぐため定期的に確認メールを送っているにもかかわらず、解約率は低い。保護者からは「保育園に持っていくおむつがなくなったので、おむつの購入頻度が減って買い物が楽になった」、保育士からは「園のおむつ管理の負担が減り、より保育に専念できるようになった」などの反響が寄せられている。

写真 保育士がおむつを棚から取り出している写真
保護者だけでなく、保育士の負担軽減も図る

同サービスのスタート後、類似のサブスクサービスが増加しているが、イプソスの「保育園おむつサブスクリプションサービス浸透状況調査」(2023年6月)によると、同サービスは業界シェア1位を維持している。

保育園を運営している同社は、保護者だけでなく、保育施設側の目線で負担軽減につながるサービスを提供することで競合との差別化を図っている。入園時に同サービスを保護者に説明しやすいように、保護者向けのチラシを保育施設に提供しているほか、おむつの在庫状況に応じた発注提案も実施。保育施設の規模や形態に合わせてきめ細かなサービスを展開する。解約メールの送信も、解約忘れによるクレームなどが保育施設側に来ないようにする狙いがある。

長時間のおむつ着用や複数回の尿吸収による肌荒れなどを防ぐため、おむつのブランドにこだわりを持つ保護者は多く、おむつ業界で高いシェアを誇るユニ・チャームの商品を利用できる点が、競合サービスと比べた際の優位点になっているという。全国のユニ・チャームの配送拠点から発送するため、災害時でも供給が滞るリスクが少ない点も強み。非常時にも供給を継続できるため、自治体での導入につながっている。


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